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第30話 番の契り

 蜜壺(みつつぼ)の入口をやわやわと指でもみ、相模は熱い吐息(といき)でマキの耳をくすぐりながら… 「マキ… ここをゆるめて」 「んんっ…?」  相模の指でもまれるそこを意識して、マキは腰から下腹にかけての筋肉を弛緩(しかん)させるように、力をぬいた。 「上手だよ… このままで…」  小刻(こきざ)みにゆらしながら少しづつ深く… 深く… マキの中に潜り込む相模の性器が内壁をゴリゴリとこすり…  長い指を差し入れてグッ… グッ… と突かれ、気持ちの良かったそこを、今度は性器でこすられ、お尻の奥でヂクヂクとうずき、マキを煮詰めるような熱に勢いがつく。 「ふう… んんん――――っ…」  うっとりと瞳を閉じて背中をそらし、マキは自分の中を相模の性器でこすられる感覚に溺れる。  痛みはあるし、大きなものを受け入れる苦しさもある… だが、相模で満たされる充実感が1番大きかった。 「マキは初めてだから苦しいだろうが… 奥まで全部入れるよ? これは“(つがい)(ちぎ)り”を結ぶ、最初の儀式だから、妥協できないんだ… 良いね?」  苦痛を感じているのは、相模も一緒なのか辛そうな声で、マキにたずねた。 「うん… エイジさんの言う通り… 僕もその方が良い…」  『奥まで全部入れる』 …その言葉に興奮し、マキの胸の中に熱いものが込み上げて来る。  「良い子だ!」  ググッ… と力強く一突きして、いっきにマキの奥深くまで、相模はペニスを押し込んだ。 「はああっ! んっ…!!」  小さな叫び声をあげ、マキは相模を全部受け入れる。  お腹の奥を限界まで押し広げて入った、相模のペニスの存在に慣れるのに、マキは苦労しシーツをつかむ手がプルプルと震えてしまう。 「マキ…っ! マキ…っ! マキ…っ!」  甘い声で名を呼び、相模はマキのうなじにキスをしてなめる。 「エイジさん…?」 <ああ…もう、噛むんだ? 僕のうなじを… ああ、本当に信じられない! エイジさんと(つがい)になれるなんて!! こんな嬉しい時を、味わえるなんて!!>  学生時代に相模と別れて以来、マキは自分の番は2度と現れないと覚悟していた。  番になりたいと思うほど、誰かを好きになりたいとも、思わなかったからだ。  ゆっくりと歯を立て、マキが驚かないように相模は少しずつ力を入れて、なめらかな細いうなじを噛んだ。 「んんんっ――――っ…!」  うなじを噛まれた刺激が、マキの背筋を通り腰からお尻の奥へと続き、相模のペニスを受け入れた下腹全体に広がって行く。  受け入れたマキの内壁のしめつけがゆるみ、相模はすかさず突き始める… 始めは小刻みにゆらし、マキが苦しまないよう慎重に、慎重に進めた。 「あっ…! あっ…! あっんんっ… ああっ… あっん… あんっ…」  うなじを噛んだまま、相模が奥をやわらかく突くたびに、マキの可愛いよがりが徐々に(みだ)らになってゆく。  クチッ… クチュチュゥ… グチュチュ… チュク…ッ… クチュチュ… チュ… クチッ…  淫蜜(いんみつ)がたらたらとマキの太ももを濡らすほどこぼれ、相模が動く度にペニスが滑りマキの中をかき混ぜる音が響き…  挿入するだけで苦しそうに、マキが怯えていたのが嘘のようで、相模は信じられない気持ちで、うなじを噛むのを止めて、思わず本気で質問した。 「マキ、良いのか?!」

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