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終章-2

 凛は駆け出した。  思わず手を伸ばした。    神聖な白、風に揺れるマフラー。決して自分の汚れた手で触ってはいけないと思っていたもの。  でも。  止めずにはいられなかった、心がちぎれそうだった。    行かないで!行かないで!行かないで!  生きてください!    振り返った清明にそう言いたくて、でも言ってはいけなくて。

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