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【2日目】お昼ご飯ですよ

 4人は、オープンセットで楽しく撮影し、あっと言う間に1時間が過ぎた。  着付けをした場所に戻り、カツラや衣装を脱がせてもらい、メイクを落とし、元の現代人に戻った。 「面白かったね~」  重い衣装から解放された小敏が、明るくそう言った。 「煜瑾は?楽しんでくれた?」  茉莎実が心配そうに声を掛けると、煜瑾は少し恥ずかしそうに小さく頷いた。 「最初は、ちょっと心配だったのですが…。文維と一緒に、たくさんの写真が撮れたので嬉しかったです」  この言葉に、茉莎実だけでなく、小敏もホッとした顔になった。 「写真ができるの、楽しみだね~」 「早く見たいです」  茉莎実と煜瑾はウキウキした様子で、先ほどまでの扮装のことや、オープンセットの建物などについて語り合っていた。 「ね~、ボク、お腹空いた~」  身軽になった小敏は、さっそく食欲魔人の本性を現し始めた。 「あ~、ちょっと早いけど、混む前にレストランに入っちゃおうか」  時計を見ながら茉莎実が言うと、小敏は嬉々として大きく首を縦に振った。 「午後からは、アトラクションコーナーに行こうね。子供騙しだ、とか思っていたけど、意外に面白いのよ」  茉莎実の言葉に、文維と煜瑾は顔を見合わせニコニコしている。 「レストランって、映画村内にあるの?」  待ち切れないというように小敏が言った。 「うん。ここでお昼ご飯のために帰るのも、もったいないかな、って思って」  そう言いながら、茉莎実は目当てのお店を村内案内図で確認している。 「あっちだね、行こう!」  茉莎実の誘導で、一同は目当てのレストランに着いた。 「おススメは、京都名物の衣笠丼かな。カレー湯葉丼なんていうのもあるよ」  どちらも食べたことが無い3人は目を輝かせた。 「ボクは、カレー湯葉丼と蕎麦とあんみつ~」  メニューを独占して、端から端まで読み込んだ小敏が、まず声を上げた。 「私は、衣笠丼とみたらし団子にしようっと」  茉莎実もすぐに注文を決める。 「私と煜瑾の分は、2人に任せるよ」  文維の一言に、煜瑾も追従するように頷く。とにかく初めての食べ物が多くて、自分では決められないのだ。 「じゃあ、煜瑾は衣笠丼と蕎麦とぜんざいがいいよ。文維はカレー湯葉丼とうどんね」  任された小敏は、最初から決めていたかのように、手早く2人の分を注文した。

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