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【2日目】オヤツを満喫
「文維は?」
それぞれの注文を済ませ、黄金ソフトクリームが出来るのを待つ間、煜瑾は甘い物を食べない文維が、何も注文をしていないことを心配そうに言った。
「ああ、私は…何か、飲物でも…」
と、言いかけた文維を、小敏が遮った。
「文維は、抹茶ビールがいいよ」
「は?」
そのまま説明も無しに小敏は、香りの高い抹茶を使ったグリーンティーに、相性の良いビールを注いだ、抹茶ビールというものを追加で注文した。
「お待たせしました、抹茶ビールのお客様」
スイーツに比べて、抹茶ビールは手軽なのか一番に声が掛かった。
文維には珍しく、おっかなびっくりという態度で手を伸ばすと、グラスの中には緑色の液体が満たされている。
「う~ん…」
ビアグラスの中の淀んだ青汁のような飲物を、一同は物珍しそうに凝視してしまった。そのまま視線は、何かを期待するように文維に注がれる。
その期待に応えるしかない空気に、文維はおそるおそるグラスを口に運んだ。
「……」
その瞬間、文維の表情が変わった。
「どうですか、文維?」
心配そうに見つめる煜瑾に、文維はふんわりと笑いかけた。
「うん。案外イケますよ」
小敏、煜瑾、茉莎実は、その言葉が信じられないという表情になり、目を見開く。
「そうですね~、ビールというよりも、抹茶系ビアカクテル、という感じかな」
文維はそう言って、煜瑾の口元にグラスを差し出した。まるで当然の流れのように煜瑾はそれをひと口飲んだ。
「ああ、こういうコトなのですね」
味見をして、煜瑾もやっと納得したようだった。その様子に、急いで小敏も文維の手からグラスを取り上げて口にした。
「ああ、なるほどね~」
思わず、続きで同じように手を出し掛けた茉莎実だったが、ドライバーであることを思い出して、渋々諦めた。
「黄金アイスのお客様~」
呼ばれた小敏は、煜瑾を促して、カウンターに受け取りに行く。順番的に次は自分だと思った茉莎実も、いそいそと2人の後ろに並んだ。
小敏は、バニラソフトクリームに金箔を貼った黄金ソフトを受け取り、煜瑾は、その小さいサイズの抹茶ソフトクリームの黄金ソフト、茉莎実は白玉ぜんざいソフトを手にした。
3人で並んで、文維に写真を撮ってもらうと、親切な人が文維を入れて4人を撮影してくれた。
「ソフトクリームは食べたら終わりだけど、こうやって写真が残れば、後で見るのが楽しみだね~」
小敏が楽しそうにそう言うと、煜瑾は大きく頷いた。
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