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第6話 ビヤク

「送っていってやるよ」  太一は元気をなくしているヨシュアをなんとか励ましたかった。  ヨシュアはきっと寂しいのだ。  せめて話し相手ぐらいにはなってやりたい。 「なあ、ヨシュア、2人で飲み直そうぜ。お前んちで」 「ボクの家で? タイチと2人で飲むのですか?」  ヨシュアはみるみる嬉しそうな顔になった。 「あそこのコンビニに酒売ってるからさ。買いに行こうぜ」  酒につまみ、赤ワイン、それからヨシュアが最近飲めるようになったフルーツの酎ハイなどを買い込む。  それから数時間、買ってきた酒が全部なくなるまで太一とヨシュアはどうでもいい話をしながら飲んだ。    ヨシュアはひ弱そうに見えて、酒は強い。  ワインを水代わりに飲んでいたというから相当だろう。  酒に強いはずの太一の方が先に酔っぱらってしまった。 「あ、ヨシュア、お前何飲んでるんだよ。それ、酒か?」 「いえ、これはブラッドリーフワインの残りです、今日はスッポンのイキチが飲めませんでしたから」 「ああ、そうだったな。悪い、気付かなくて」  さすがに合コンですっぽんの血はまずいだろう、と出せなかったのだ。 「それ、うまいのか?そのブラッドリーフなんとかっていうやつは」 「ああ、これは人間はあまり飲まない方がいいみたいですよ」  ヨシュアがクスっと笑いを浮かべる。 「なんでだよ。味がまずいのか?」 「いえ、そうではないのですが……」 「んじゃ、ちょっと味見させろよ」 「あっダメですって。やめといた方がいいですっ!」 「ケチ。ちょっとなめるぐらいいいだろ?」  太一は酔っぱらっているので、ヨシュアが止めるのもきかずに、グラスに指をつっこんでペロっと舐めてみた。 「なんだか、薬臭い味だな……」 「あーあ。タイチ、大丈夫ですか?」 「ん? まさか毒がはいってるわけじゃないんだろう?」 「まあ……そうなんですけど。これ、人間が飲むと……えーっとなんていう日本語だったかな。……そうビヤク。ビヤクの効果があるそうです」  ヨシュアが思い出した時には時すでに遅し。  太一の下半身には異変が起きていた…… 「おいっヨシュアっ! 変だ、身体が変だぞ。なんだか熱い……」 「だ、大丈夫ですか? タイチ。だから止めたのに……」  太一は下半身を押さえると、その場にうずくまってしまった。 「どうしてくれるんだよ……ヨシュア……おさまんねぇよ!」 「あの……出せばいいんじゃないでしょうか。タイチが前に教えてくれたように」 「そ、そうだよな。とりあえず出さねぇと……苦しいっ!」  ちょっとなめただけなのに、なんて強烈な効き目なんだ。  うっかり飲み干してたら大変なことになっていた。  後悔しながら太一はズボンをおろして、焦って自分のモノを扱き出す。 「あの……ボクが手伝いましょうか?」 「いや、いい。自分でやった方が早い」  太一はヨシュアが見ているのも構わず、必死で頂上を目指す。  早く出さないと身体が熱くてたまらない。  がむしゃらに扱いて、勢いよく達した。 「ほんとだ……人間の精液は白い。初めて見ました……」  ヨシュアは暢気に太一の放った液を手にとって、しげしげとながめている。 「ヨ、ヨシュアっ……出したのにおさまんねぇっ! どうなってんだ、コレ」 「ボクにもわかりません……どうしよう」  ヨシュアは驚いて、のたうち回っている太一を抱きしめた。 「苦しいですか? どうしよう……ボクにできることはありますか?」  ヨシュアに抱きしめられてコロンの香りに包まれると、太一は理性がふっとんだ。 「ヨシュア……抱かせてくれ」 「ボクを……ですか? ボクは男ですよ、一応」 「わかってる! 男でも……ヨシュアなら構わないっ!」 「あのう……男同士でもセックスってできるんですか?」 「できるんだよっ! 人間ってのは器用なんだっ!」  ヨシュアは少し考えてから、にっこりと微笑んだ。 「いいですよ。タイチがしたいんだったら、ボクは構わない。どうやってやるのか知らないけど、やってください」 「ほんとにいいのかよ」  太一の目は理性がふっとんで野獣の目になっている。 「いいですよ。ボクはどうしたらいいですか? 服を脱いだ方がいいのかな」 「ああ。それから、何かローションみたいなものはあるか?」 「ありますよ、ボクは肌が弱いからアロエローションを愛用しています」  うーん。まあ、この際それでもないよりはマシだろう。  ヨシュアからローションを受け取ると、太一は裸になったヨシュアを押し倒した。  目がくらむほど綺麗な身体だと思った……  人間とまったく変わりないヨシュアの身体。  小さな乳首が可愛くて、太一は夢中でしゃぶりつく。 「あっなにをしてるんですかっ! そんなことはしなくていいのに」 「うるせえっ! モノには順番ってもんがあるんだよっ!」 「順番があるのか……知らなかった」  ヨシュアは納得したように太一にされるがままになっていたが、やがて少しずつ喘ぎ声を出し始める。 「ああ……そこを舐められると、変な感じがします。なんでだろう……ああっ」 「ヨシュアっ気持ちいいか?」 「気持ち……いいです。なんだか痺れるようです……」  いくら薬のせいだとはいえ、ヨシュアにひどいことはしたくない、と気遣うぐらいの理性はまだ残っていた。 「ヨシュア。気持ちよくしてやるからな!」  太一はローションを手にたっぷりとると、前を扱きながら後孔に指をゆっくりと差し入れた。 「あっ! もしかして、ソコに入れるのですか?」 「そうだ。ちょっと痛いかもしれないが……大丈夫か?」 「大丈夫、ヴァンパイアは人間より痛みには強い。だけど入りますか?」 「わかんねぇよ……俺だって男とは初めてやるんだから」  痛みに強い、と聞いて少し安心して、タイチは指を2本ぐっと突っ込んでみる。  

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