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第17話 のぞき見

「あー疲れた。おなか減ったね! あ、そうだ」  ヨシュアが思い出したように冷蔵庫を開けて、歓声を上げた。 「やった! 久しぶりにブラッドリーフワインが思い切り飲めるっ!」  ヨシュアが取り出したビンを見て、太一は思わずぎょっとした。  忘れもしない。  あの赤い液体を舐めたおかげで、太一はえらい目にあったのだ。 「ヨシュア……それ、飲むのか?」 「もちろんだよ! タイチも一緒にね!」  ヨシュアは嬉しそうにワイングラスにそれを注ぐと、太一の手に押しつけた。 「タイチももう飲んでも大丈夫なはずだよ。でも、最初はゆっくりね」 「あ、ああ……」  どうもこれを飲む、というのは気がすすまない。  舌を出して、舌先でちょっとだけ舐めてみる。 「どう?」 「……大丈夫みたいだな」  やはり味覚が変わったのか、それはとてもおいしかった。  思い切って太一はひとくちゴクリ、と飲んでみた。 「うん、うまいな……いい酒を飲んでいるみたいだ」 「でもボクはスッポンのイキチも恋しいような気がするな。あれがボクにとっては日本食だった」 「そうだな。またいつか日本に行けば飲めるさ」  大丈夫だと調子にのってブラッドリーフワインを飲んでいたら、気のせいか下半身がなんとなく熱くなっていく。 「あれ……やべぇ。なんか勃ってきたぞ、やっぱりこれ、ヤバいんじゃないの?」 「変だな……タイチはまだヴァンパイアになりたてだから、身体に合わないのかな?」  前ほど強烈な効き目ではないが、だんだん身体が熱くなっていく……    太一はヨシュアを抱きしめながら、そういえばイギリスへくる準備でしばらくセックスをしていなかった、と思い出す。  ワインのせいというよりも、緊張が解けてヨシュアを抱きたくなってきたのかもしれない。   「ヨシュア……ヤりたくなってきた」 「タイチ……ボクも……」  太一はヨシュアを抱き上げて寝室へ運んだ。  ベッドの上で絡まるようにキスをする。  そういえば昨日は一日中飛行機の中だったから、キスだって久しぶりだ。 「久しぶりだから、たっぷり可愛がってやるからな!」 「うん……タイチ……あっ……ああん……」  ノックをしたのに返事がないので、ジョゼは部屋の中にはいってみる。  寝室のドアが少し開いていて、声が聞こえた。  なんだ、いるんじゃないか……  声をかけようとして、ジョゼは足をとめる。 「あっあっ……タイチっ……気持ちいいよ……すごいっ」  ヨシュアの声だ。  何をやっているんだ。  そーっとドアの隙間からのぞいてみる。  そして仰天する。  タイチがヨシュアのモノに食いついている……  いや、違うしゃぶっているのか。  なんであんなところを熱心に舐めているんだ……  ジョゼの辞書に『フェラチオ』という文字はなかった。 「あああっ……出るっ……出るよっ」  ジョゼはさらに驚愕した。  飲んだ……飲んだぞ……  タイチはヨシュアの精液を飲み干して、満足そうだ。  吸血鬼より恐ろしいやつだ……  信じられない…… 「今度はボクがするね。タイチのをたっぷり飲ませて……」  ヨシュアまで。  うまそうにタイチのモノに食いついている……いや、しゃぶってるのか。  しゃぶっているヨシュアの顔は楽しそうだ。  タイチも気持ちよさそうな顔をしている。  ひょっとしてあれが男同士のセックスというものか。  あ、ヨシュアも飲んだ。  満足そうな顔をしている……  これで終わりか?  いや、まだ続きがあるようだ……  なんだかタイチが手にローションを塗りつけている。 「ヨシュア、力抜いてな」 「うん、あっ……ああ……」  うわ、尻に指突っ込んだぞ。  ヨシュアはなんであんなこと許してるんだ……  嫌なら嫌って言えばいいのに!  あああ……あんなにずぶずぶと何本も突っ込んで……  痛くないんだろうか。 「ね……タイチ……後ろから挿れて……」  ヨシュアは犬みたいな格好をさせられている。 「あああっ……タイチっ……すごい……大きいよ……ああ……」  ヨシュアがひときわ大きい声をあげる。  あまりの光景にジョゼは固まってしまった。  信じられない……  アレをアソコに突っ込むのか。  あれがセックスか…… 「タイチっ……気持ちいいよっ……タイチっ……もっと……」  ヨシュアの恍惚とした顔。  あんな顔は見たことがない。  本当に気持ちいいんだろうか……  でもヨシュアはもっとと催促してる。 「ヨシュア、今度はお前が上に乗って」 「うん、この間初めてやってみたやつだね」  今度はヨシュアがタイチの上に馬乗りになった。  自分で挿れて、腰を振っている。  やっぱりヨシュアはアレが気持ちいいんだ……  でないと自分であんなに腰を振らないだろう。 「あああっ! イクっ! イクよっ……タイチ……」 「イケよ……ヨシュア……」  ……イクってなんだ?  どこへイクんだろう……あのふたりは。  延々とふたりはひたすら突っ込んだモノを出し入れして、喜びの表情を浮かべている。  そうしていると、ヨシュアは何度も『イク』らしい。  人間のセックスというやつはオレにはどうもよくわからない。  でも、ひとつだけわかるのは、あの二人は心から幸せそうだ。  うらやましい。  人間と恋をしたら、あんな風に変わってしまうのだろうか。  ずっとオレのあとをついてきてたヨシュア。  でもオレはヨシュアにあんなことはしてやれない。  あ、どうやら終わったようだ。  もう声かけてもいいだろうか。  

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