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第39話 激しいのがお好き

「あっあっ……リュウジっ……すごいよっ……もっと……」 「ああ、今日は遠慮しねぇぞ!」 「遠慮なんてしてたんだ……リュウジ……あああっイクっ !イクよっ」  ガツガツと突き上げながら、隆二はためらうことなくジョゼの首筋に思い切り牙を立てる。 「あああっ……ああ……リュウジっ……んん……」  のけぞるように達してジョゼは、恍惚とした表情を浮かべながら身体をびくびく痙攣させている。  ジョゼの血が流れ込んでくると、隆二はますます身体が熱く興奮して、自分を止められなくなってしまった。  まだ震えているジョゼの身体をひっくり返して、後ろから思い切り突っ込んだ。  ジョゼは驚いて逃げるようにソファーにしがみつく。 「や……ダメっ……リュウジっ……ああっ」  それでも隆二はジョゼの上半身をソファーの上に押さえつけて、激しく腰を打ちつけた。 「リュ……リュウジ……もう……ああっ……死んじゃうっ」 「死ぬわけねぇだろっ!」 「ダメっ……あああっ……やっ……ああ……」  悲鳴のように喘いでいるジョゼを容赦なく突きながら、前も強く扱いてやると、ジョゼは身体を震わせながら叫んだ。 「リュウジっ! 吸って! お願いっ! 早くっ……」  隆二は悶えているジョゼを押さえつけて、後ろから首筋に牙を突き立てながらジョゼの中に欲望を放つ。 「あ……ああああっ!」  気が狂いそうなほどの快感の中でジョゼは意識を手放した。  とろけそうに恍惚とした顔をソファーにうずめたまま……  目覚めると、ジョゼはベッドの上にいることに気がついた。  隆二が運んでくれたのだろう。  どれぐらい気絶していたのかわからないが、まだ身体が熱くて痺れている。 「ジョゼ、大丈夫か? 悪かった、つい興奮しちまって……」  隆二は本気で反省しているような顔だ。   「ううん、いいんだ。オレ……嬉しかった」  ジョゼは恥ずかしそうにリュウジの胸に顔をうずめる。 「もっと……して欲しいぐらい……」 「ジョゼは激しいのが好みか?」  隆二がからかうと、ジョゼは小さくうなずいた。  激しく求められるのは嬉しい。  無理矢理突き上げられて吸われた時は、気絶するほど気持ちよかった……  ジョゼが喜んでいるとわかって、隆二はそんなことならもっと早くしてやればよかったと思っていた。 「なあ、ジョゼ。俺はさっき思い切り吸っちまったけど、貧血になったりしないのか?」 「大丈夫だよ。ヨシュアなんて毎日どれだけ吸われてることか……」 「そういや、そうだな」  ヨシュアと太一の首筋の痕を思い出しただけで、隆二も笑えてくる。 「ジョゼ、俺の血、思い切り吸えよ。さっき遠慮したんだろ?」 「えっああ、うん……最初だったから」 「もう慣れたから大丈夫だ。ほら、吸っとけ」  隆二は抱きしめているジョゼの頭を、自分の首筋に押しつけてやった。  軽い痛みのあとにやってくる、強烈な快感。  背筋がゾクゾクするほど気持ちいい……  ジョゼを抱きしめて血を吸われながら、隆二はそれだけで射精してしまった。   「かっこ悪ぃ……今ので出ちまった」  隆二が照れくさそうにしているのを見て、ジョゼは笑った。 「こうやって、だんだんパートナーと血が混じっていくんだ」 「そうだな……人間は誰とでも気軽にセックスするが、こんなこたぁおいそれと他のヤツとはできねぇなあ」 「ダメだよ! 吸うのはオレのだけ!」 「わかってるよ、ああ……なんかまだ吸いてぇなあ……」  名残惜しそうにジョゼの首筋にキスを落とすと、ジョゼは照れたように俯いた。 「いいよ……オレのはいくらでも……」 「じゃあ、痕のついてねぇこっち側な」  さっきとは反対側の首筋に軽く牙をたてる。  慣れるとキスマークをつけてやるのとたいして変わらないな、と隆二は思う。 「リュウジ……気持ちいい……すごい幸せだ……」 「明日、ヨシュアに見せびらかしてやれよ」 「オレはそんなことしないよっ!」    翌日、ジムで太一はめざとく隆二の首筋の吸痕を見つけた。 「どうだった? 感想は?」  ニヤっと笑いながら尋ねると、隆二は呆れたようにため息をついた。 「お前らがいっぱい痕つけてる理由がよーくわかったぜ」 「だろ? やってみるとやみつきになるだろ?」 「まあな……ありゃあ、強烈な麻薬みてぇだな。人間のセックスじゃあり得ねぇ」 「そういやさあ、あいつら、人間のセックスは見られても平気なくせに、血を吸われるところを見られるのはすげぇ恥ずかしがるんだぜ」 「そういうもんなのか?」 「ああ……ヨシュアなんてジョゼにセックスのぞかれてもケロっとしてたのに、血を吸われるのは寝室で鍵かけて暗くしないとイヤだって言うんだ」 「へえ……俺らにすりゃあ、セックスのぞかれる方がよっぽど恥ずかしいけどなあ」 「そう思うだろ? ジョゼだって人のセックスはのぞくくせに、ヨシュアの首の痕見ただけで赤い顔して照れてるぜ」 「恥ずかしいポイントが人間とは違うってワケだ。そりゃあ面白ぇこと聞いた」  隆二は何かたくらんでいるような顔になった。 「太一のセックスをのぞいたジョゼには俺からお仕置きだ」 「お仕置き?」  太一と隆二は顔を見合わせて、ニヤリと笑う。

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