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第43話 観客

「やだーっタイチっ! 恥ずかしいってば!」 「ヨシュアっ! 待てっ! 逃がすもんかっ」  太一はまんまとヨシュアに乗せられて追いかけていく。    ……とここまでは、ヨシュアの計算通りだった。  計算外だったのは、その場にいた白帯ゲイヴァンパイアたちが、みんなその続きが気になってぞろぞろついていってしまったのだ。  男が男の血を吸うところなんて、ゲイビデオでも見れるもんじゃない。    ジムには誰もいなくなって、ジョゼと隆二だけが取り残された。 「誰もいなくなったところで、ジョゼ……」  隆二はチャンスとばかりにジョゼを押し倒した。 「やだーっ! こんなところで吸わないでーっ!」  ヨシュアは大騒ぎしてバタバタと走ってくると、男子更衣室に逃げ込んだ。  すぐに太一が追いかけてきて、ロッカーの間に逃げ込んだヨシュアを探す。  ヨシュアは更衣室の中に人がいないのを確かめると、ドアに鍵をかけた。  血を吸われているところを見られさえしなければ平気なので、窓から見えないロッカーの奥の方に太一を誘い込む。 「ヨシュア、見つけた!」  太一が嬉しそうにヨシュアをつかまえる。  昨日から血を吸わせてもらっていないので、太一は何がなんでもここでヨシュアを襲う気まんまんだ。  ヨシュアも、ここまで誘い込んだらOKである。  しかし、その頃、更衣室の窓の外には白帯ヴァンパイアたちが鈴なりになって、中の様子をうかがっていた。  鍵がかかっているので中には入れないが、ヨシュアと太一の声は外まで聞こえている。 「もう逃がさないぞ、ヨシュア」 「あっあっ……やめてっ……タイチ……あああんん……」    のぞいても見えないところから声だけ聞こえてくるので、白帯ゲイたちの妄想は個々に膨らんでいく。  全員、ドキドキ、ワクワク、である。 「ヨ・シュ・ア、どっちがいい? こっち?」  太一はヨシュアの首筋をペロっと舐める。 「それともこっち?」  反対側の首筋にもつーっと舌を這わせると、それだけでヨシュアは身体の力が抜けて太一にしがみついてしまう。 「両……方……」 「オッケー」 「あっ……あああっ…ああ……」  まずは片方かっ?と、白帯たちはゴクリと唾を飲み込んで、耳ダンボである。  『両方』と言ったヨシュアの勇気に心の中で拍手をしている者もいる。 「気持ちいいか……ヨシュア……俺のも思い切り吸えよ」  ヨシュアはこくりとうなずくと、太一の下半身に手を伸ばしてモノを引っ張り出す。 「タイチ……こっちも一緒にね」 「うっ……あ……ヨシュアのも……」  太一もヨシュアのモノを引っ張り出して、一緒に扱き合う。 「ああん……タイチ……ボクがイっちゃう……」 「いいぞ、こっちも吸ってやるからな」 「んっあっ……ダメっ……あああっ……タイチっ……」  反対側吸ったか?と白帯たちはまたゴクリと唾を飲む。  まだ続いてるぞ…… 「タイチもイって!」  ヨシュアが思い切り扱きながら、太一の首筋に吸いつく。 「ああっ! ヨシュアっもっと……もっと吸えっ!」  太一は思い切り放出しながら、ヨシュアをぎゅっと抱きしめる。  ヨシュアはすでにメロメロになって太一を誘う。 「タイチ……挿れてほしい」 「いいぞ、ここでしようぜ」  太一はそばのベンチにヨシュアをうつぶせにすると、今放った液体を手にとって指を突っ込む。 「あん、ああん……気持ちいいっ……イっちゃう」 「まだ挿れてないぞ?」  太一は笑いながら指をずぶずぶ突っ込んで、またヨシュアの首筋に軽く歯を立てる。 「あああっ……そんなに吸ったらおかしくなっちゃう! 早くっ早く挿れてっ」 「挿れるぞっ、ヨシュア!」 「ひっやっ……あああっ……タイチ……ああっ……」 「気持ちいいかっ? イクとき言えよ? うんと吸ってやる」  窓の外の白帯ゲイたちは、いったい中で何が起きているのか、ヒソヒソと話し合っている。吸うだけでなくてイレたりイッたりしているようだ。  たまにヨシュアの悲鳴が聞こえるので、それはひょっとして空手の技だろうか、などと考えている。 「ヨシュア……俺もイきそう」  太一はベンチの上でヨシュアを仰向けにひっくり返すと、思い切りヨシュアに突き立てる。 「あっあっ……またイクっ……タイチっ!」 「先にイケよっ!」  太一がまた思い切り血を吸いながらヨシュアの急所を突き立てると、ヨシュアは悲鳴のような喘ぎ声を上げて達した。  窓の外ではさすがに今の悲鳴は大丈夫か……と心配する白帯ゲイも現れ始める。 「俺もイクっ! ヨシュアっ思い切り……早くっ」  ヨシュアは急所をさんざん突かれて悶えながら、力一杯太一に吸いついた。 「あああ……ヨシュア……すげぇ……ああ」  太一はがくがくと震えながらヨシュアの中に思い切り欲望を放ち、悶えているヨシュアのモノを掴むと強く搾り取るように扱く。 「ヨシュア……まだ……イケるだろ」 「やっ……やあああっ……あああ……っ!」  ヨシュアが身体をぶるぶる震わせたので、太一はまた噛みついてしまう。  もうこれで何度目だろう。  ヨシュアは目の前が真っ白になり、がっくりと意識を失ってしまった。 「おい……ヨシュア……ごめん、やりすぎた……」  太一はあわてて気絶したヨシュアを抱き上げる。  昨日我慢させられたので、つい暴走してしまった。    

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