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第48話 痴態
後ろから深々と突いていると今にもイきそうなので、太一はヨシュアをソファーに座らせると、両膝を持ち上げて前から挿れ直す。
この方がカメラにヨシュアの顔が写りそうだ。
「あっあっ……タイチっ……イキそう……前も触ってっ」
「ああ、イっていいぞ……」
前も扱きながら突き上げて、太一はイかせてやろう、とヨシュアの首筋に唇を寄せる。
「あっ! ダ、ダメだよ……それはダメっ!」
「どうして……イきそうなんだろ?」
「それは撮っちゃヤだっ」
何を今更、と思うのだが、ヨシュアは血を吸われるところは撮られたくないようだ。
後ずさるヨシュアを太一はソファーの上に押し倒して、無理矢理押さえつけるように激しく突き立てた。
「ダメだよ……ヨシュア。逃がさない」
「あ……タイチ……ああん……イクっ……イっちゃう!」
「可愛いヨシュア……」
太一は耳元に囁くと、思い切り首筋に牙を立てる。
「いやっ……あああぁっ……あ……あ……」
びくっびくっとヨシュアの身体が跳ねる。
「タ……イチ……恥ずかしい……」
ヨシュアが涙を浮かべて抱きついてくる。
「大丈夫。可愛いよ、ヨシュア。俺もイかせて」
「でも……」
「ほら、俺、イけないじゃん」
太一はヨシュアの中をかき回すように、ぐりぐりと腰を回す。
「じゃあ、タイチが下になって」
ヨシュアは太一の上にまたがるようにして挿れると、思い切り腰を動かし始める。
「う……あ……ヨシュアっ、イクっ……もう出るからっ!」
ヨシュアは恥ずかしそうに、カメラと反対側の首筋に顔をうずめる。
「ああっ……ヨシュアっ……」
太一はぎゅっとヨシュアを抱きしめて、思い切りヨシュアの中に放出する。
どくん、どくん、と脈打つ太一のモノをヨシュアはぎゅっと締め付ける。
「タイチっ……ボクもまたイクっ」
太一はあわててヨシュアを突き上げながら上半身を起こして、のけぞるように腰を振っているヨシュアの首筋に噛みついた。
「やっ……ああああん……ん」
ひくひくと太一のモノを締め付けながら、ヨシュアがしがみついてくる。
ヨシュアの体重を受け止めながら、太一は優しくキスをした。
「ほんとに見るの……それ……」
「嫌ならあっちいってろよ……俺一人で見るから」
太一は撮ったばかりのビデオをパソコンに取り込んで再生しようとしている。
カメラについているモニターでは小さいので、大画面で見ようとしているのだ。
今更止めてもムダか、とヨシュアはため息をついて、隣に座った。
画面に映し出される自分は女装しているので、これは自分じゃない、とヨシュアは言い聞かせる。
「うわ~エロいっ……ヨシュア、エロすぎ」
太一ははしゃいで喜んでいる。
ふーん、挿れてるところはあんなふうになってるのか、とヨシュアも案外冷静に見入ってしまう。
自分では結合しているところを見たことがないので、いつも太一にはあんな光景が見えているのか、と納得する。
最後の方になって、あ、っと太一はビデオを止めて巻き戻そうとする。
「ヤだっ! タイチったら……そんなところで巻き戻さないでっ」
「いや、でも……」
ヨシュアのイク時の顔……
嫌がりながらも、血を吸われると恍惚とした喜びの表情が浮かんでいく。
ゾクゾクするほど色っぽい……
考えたら、首筋に吸い付いているので、イク時の顔はいつも見れないのだ。
ヨシュアは顔を真っ赤にして目をそむけていたが、次の瞬間思わず画面に目が釘付けになる。
タイチのイク時の顔……初めて見た。
可愛い……
こんなに嬉しそうな幸せそうな顔してイクんだ。
「タ、タイチ……今んとこ、もっかい見たい」
ヨシュアが恥ずかしそうに、巻き戻せ、と言う。
太一は、ヨシュアもやっぱり男だな、とクスリと笑ってしまう。
さては俺がイクのを見て欲情したな……
太一は自分が見られるのは平気なので、巻き戻してやる。
ヨシュアは同じシーンを今度は食い入るように見ている。
なんせ、ヨシュアが生まれて初めて見たエロビデオなのだ。
そもそもヴァンパイアの萌えポイントにかなうようなエロビデオなど、この世に存在していない。
「ヨシュア、気に入ったんだろ」
太一がからかうと、ヨシュアは顔を赤くして小さくうなずいた。
太一も再びヨシュアがイク場面を見て、思わず欲情してしまう。
「秘蔵のお宝ビデオだな。やっぱりヨシュアが最高っ!」
「タイチも……色っぽかった……」
「なあっ、今度はドレスじゃなくて、普段のヨシュアを撮らせてくれよ」
「うん……いいよ」
「ハメ撮りしたのか……」
翌日、太一に自慢されて隆二は呆れている。
とんだバカップルだ。
「でもさっ、隆二も見たことねぇだろ? ジョゼのイク時の顔」
「そりゃあ、まあそうだが……」
イク時の顔は何度か見たことあるような気がするが、確かに血を吸ってる時は顔は絶対に見れないのだ。
そう言われると、なんだか太一がうらやましいような気がしてくる。
しかしヨシュアならともかく、ジョゼは絶対そんなの撮らせてくれないだろうなあ、と思う。
「隠し撮りすれば?」
「バカっ、バレたらどうするんだよ。それに、俺は機械に弱い」
隆二はパソコンもビデオも触ったことがないのである。
「教えてやるからさっ。ジョゼもビデオカメラは持ってるんだろ?」
「ああ、持ってるみたいだけどな……しかし、どう説得したら撮らせてもらえるだろうな」
腕組みして考えている隆二を見て、太一は笑う。
隆二もやっぱり男だ。
見たいよな、恋人の痴態。
【番外編SS4 AV ~番外編SS5へ続く~】
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