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止められない
部屋に戻ったら、写楽はベッドの上で肘をついて横になっていた。入ってきた瞬間からジッと僕を見つめていて、何故か僕は蛇に睨まれた蛙みたいにドアを開けた状態から動けなくなってしまった。
「何してんだ遊、さっさと入れよ」
「は、はいっ」
何でだろう……さっきまで比較的和やかな雰囲気でご飯を食べていたのに、なぜか緊張する。僕は一歩一歩ゆっくりと歩き、ベッドで寝転ぶ写楽に近づいて行った。
今、写楽と僕の距離は1メートル以内。
「お前さ、」
「え?」
「使用人になれっつった時、何想像した?」
「……」
『他の奴にシーツ洗濯されるの、嫌なんだろ』
「っ……!!」
思い出した途端顔がカッと熱くなって、思わず二歩ほど後ずさってしまった。
「何逃げてんだよ。こっち来いって」
写楽は身体を起こすとベッドに腰掛けた。そして僕を射るような視線で見つめると、右手を伸ばして僕の手首を掴んだ。
「教室の時みたいに、甘えてこねぇのかよ?」
ずるい。そんなこと言われたら、僕はもう自分で自分を止められない。僕はふらふらと写楽に近づいて、その足元に跪いた 。
*
僕は今、
「ふぅっ……ンッ、ジュプ、ジュプ、……」
「あー……すっげ、キモチイイお前の口ん中」
前を寛げてベッドに座っている写楽の脚の間に身体を入れて、必死に彼のペニスをしゃぶっている。
「ンッ、ンッ……ジュプ、ペロ、ペロ」
「あっ、あ、ソコいい」
気持ちいいと言われるのが嬉しくて、必死に舌を動かして血管の筋をなぞりながら、口いっぱいに頬張っている彼のペニスを愛撫した。口に入りきらない竿の部分は、手でシュッシュッと擦る。
写楽は僕の頭を掴んで悶えている。三角巾はもう、とっくに取れてしまっていた。
僕自身はまだ触れてもいないのに、彼の感じている顔を見ているだけで興奮して、下着の中で硬くなっているのが自分でも分かった。
「マジ、やべ……」
「ジュプ、……らして、ひいよ」
「バカ、咥えたまま喋んな」
「むぐっ」
頭を掴まれて、ぐっと股間を押しつけられた。すると喉の奥まで入ってきてむせそうになった。でもむせたら噛んでしまいそうだったから、吐きそうになる反射をぐっとこらえた。
「全部飲めよ」
「ムグッ、ン、ンンッ……!!」
喉の奥に熱いものを大量に出されて、僕はごくごくとソレを嚥下した。
「ハァ、ハァ、あー……すっきりした」
ズルリと僕の口から彼のモノが出されて、唾液なのか精液なのか分からない液体が彼のペニスと僕の口の間で糸を引いた。
「げほっ、ゲホゲホッ」
彼のモノが口の外に出された後に、僕はやっと咳込んだ 喉の奥がイガイガして、何か奥に引っかかってる感覚がする。息ができなくて涙まで滲んできた。
「ごめん、なさッ……ゲホッ」
「おい、大丈夫かよ」
せき込み続ける僕の背中を、写楽がベッドに座ったままさすってくれて段々と落ち着いてきた。 精子を飲んだあとにこんなに咳込むなんて、彼は怒るかと思ったのに。
「はぁ、はぁ……」
「落ち着いたか?」
「うん……ごめん、ちょっと喉の変なとこに当たっちゃって」
「……当てたんだよ」
僕は写楽の顔を見上げた。まだ涙で濡れているのか、視界は少しぼやけていて彼の顔がよく見えない。写楽は親指で、そんな僕の目をぬぐってくれた。
「だってお前、俺に殺してほしいんだろ」
物騒な言葉とは裏腹に、彼の手の動きはとても優しい。
「……」
「それとも、違うシチュエーションが良かったか?」
僕を見つめる目も何故かとても優しく見えたから、僕は胸が詰まって何も言えなくなってしまった。
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