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君の素直さが少し羨ましい
梅月園には、俺から連絡した。遊が俺の家で働くことになったこと、今日は泊まって行くこと、明日の朝早くに車で送って行くこと。
梅月先生は俺をただの遊の友達だと思っているから、友達の家で働くということがよく分からなかったらしくて俺はとりあえず身分(?)を明かして無理矢理納得してもらった。
俺は遊を抱き上げて風呂場に移動し、丁寧に身体を洗ってやった。遊はわけがわからない、という顔をしていたが大人しく俺にされるがままになっていた。
「………」
好きだ、なんて自覚したところで俺が簡単に伝えられるハズがない。
そもそも なんでコイツはそんな簡単に俺に「好きだ」と言えるのか、いざ自分が同じ気持ちになったらとても理解し難かった。こいつが言うところの、『恥ずかしすぎて死ぬ』レベルじゃねーか……と。
でも遊の恥ずかしさの基準は一般人と大きくかけ離れているから、俺のことを好きだと伝えるのは遊にとってはそんなに難しいことじゃないんだろうな。
遊はすごく素直だ。本当に俺とは、真逆の性格……。
「あの……お風呂、広いね。それにすごくいい匂い」
「檜の匂いだよ」
「ひのき?あ、お金持ちのお風呂だ」
「何だそりゃ。別に金持ちじゃなくても風呂好きだったら檜風呂くらい作るだろ」
「そうかなぁ……いたっ!泡がお尻にしみる」
「ちょっとだけ我慢しろ」
檜でできた風呂桶で ザバアとお湯をかけて泡を流してやる。そして、立てるけども上手く歩けない遊の腰を抱いて浴槽に浸かった。
「あっつ!お湯熱くない!?」
反射的に遊が立ち上がりかけたので、肩を押さえて再び湯に浸からせた。
「これくらいが丁度いいだろ」
「いや、それにしても熱くない!?今夏だよ!?」
「うるせーな、熱くねぇよ」
風呂が熱いせいか、顔が近いせいか、俺は本当に茹でダコみたいになった遊の顔にキスをしながら、その華奢な身体を抱きしめた。
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