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天使はペット

「遊、どういうことなのか説明しろ」 「あ、あのね……かくかくしかじかで」 「ふーん、なんだ中山パイセン、コイツが俺のペットだって知らなかったのかよ。前に俺に突っ掛かってきたから、てっきり今回は人質的な意味で遊を拐ったのかと思ったぜ」  抱き合ったまま話ししてんじゃねぇよ……見せつけてんのかコラぁ!!周りの女どもも、犬神が美形だからってぽーっとなってんじゃねぇよ!アイツは敵だぞ、敵ッッ!!それと別に拐ってねぇぇし!!それに俺が突っ掛かってきたっていつの話だっつの…… ――ん? 『てめえ最近、ペットとか言って男侍らしてるらしいな』  ああ――ッッ!!!確かに俺、突っ掛かった!!犬神がホモになったと思って、思いっきり突っ掛かったことあった!!  ……てことは、 「ゆ、ユウちゃん……」 ユウちゃんが、犬神の……!? 「ごめんね、久志くん。僕、この人のペットなんだ」 「ええええええ!!!」  天使の口から肯定されたァァァァ!!!しかもなんでそんな嬉しそうな顔で言うの!?天使なのに小悪魔にも見えてきたし!! 「だから、その……お昼一緒に食べたりとか、一緒に帰ったりはできません。ごめんなさいっ!」  お、追い討ちかよ……何?俺これ振られてんのか?まだ告白もしてねぇのに? 「当然だろ。つーかその久志クンって呼び方やめろよ、遊。気色悪い」 「え、じゃあなんて呼べば?」 「呼ぶ必要がねぇだろ」  ひど!!人の名前を気色悪いとか言うなや!!てめーはドキュンネームじゃねーかこらァァ!! 「とにかく、今日は殴らねーでやるけど、勝手に俺のペットに粉かけてんじゃねーぞ中山、次に遊を呼び出したり、ナンパ仕掛けたりしたら容赦なくブッとばすからな」 「な・ん・で俺がてめーに容赦されなきゃいけねぇんだよッッ!!ていうか俺はお前のせいで、先日知らない奴らにボコボコにされたんだからな!!一発殴らせろ!!」 「あぁ?嫌に決まってんだろ」 「嫌でもてめーのせいなんだから責任取れや!!」  するといきなり、誰かが俺と犬神の間を遮った。犬神を護るように前に出たソイツは…… 「ゆ、ユウちゃん?」 「久志くん、殴るなら写楽じゃなくて僕を殴って!」 「な、なんで!?俺がユウちゃんを殴れるわけねぇだろ!?恩人なのに!!」 「だって、写楽を殴らないと気が済まないんでしょう?いいよ、僕は写楽のペットだし、写楽の代わりに殴られるなんて本望だから!」  ほ、本望って……!ユウちゃん、本気で犬神のことを……!?  つーか、そもそも同い年でペットと飼い主って具体的にどういう関係なんだよ!?エロスな香りしかしねぇぞこらぁぁぁ!!

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