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遊の悪夢

* 梅月先生との電話を終えて部屋に戻ったら、遊は多量の寝汗をかいて魘されていた。 悪い夢を見てるに違いないから、俺は遊を揺すって無理矢理起こそうとした。 「遊……おい、遊!」 俺の声と強く揺さぶられたことで、遊はハッと目を覚ました。 「…………!?」 「遊、大丈夫か!?」 なんだか目の焦点が合ってない。まだ夢から覚めてないんだろうか。遊は驚いたような苦しそうな顔で俺の顔を見つめて、 肩で大きく息をしている。 「しゃ……らく……?」 「大丈夫か?ここがどこだか分かるな?」 「う、ん……」 「……水持ってきてやるよ」 少し離れようとしたら、シャツの裾を握られていた。それも、かなり切羽詰まった顔で。 「……遊?」 「あっ……ごめん、なさい」 無意識の行動だったみたいで、遊はパッと手を離した。とりあえず、早く水を飲まさないと脱水を起こしそうだったから、俺は冷蔵庫に入っていたミネラルウォーターを出すとコップに注いで遊に差し出した。 「飲めよ」 「……ありがとう……」 遊はコップを両手で持つと、喉を鳴らしながら一気に飲み干した。少し飲みきれなかったらしく、水が一筋遊の顎と首に流れていった。 水を飲み終わっても、遊の様子はなんだか落ち着かない。俺は、そんな遊を気付かれないように注意深く観察した。 「……もう一杯、飲むか?」 そう聞いたら、遊は静かに首を横に振った。 「……じゃあ何か、してほしいことあるか?」 「…………」 「おい、ゆ……」 「抱いて、欲しい」 俺の言葉を遮りながら、遊はやけにはっきりとそう言った。 「え?」 「今すぐ僕を抱いて……写楽、おねがい」 「……お前……」 遊は、何をそんなに焦ってるんだ? 寝不足で体調不良で悪夢見て魘されてひどい状態の癖に、起き抜けに抱いて欲しいとか……なんで、 「おねがい、写楽、お願い……」 遊が快楽を欲しがってるんじゃないってことは分かる。分かりすぎて、困る。 「おい遊、やめろ」 遊は俺が戸惑ってる間に、素早く俺の下半身に手を掛けてファスナーを下ろした。 そして慌ただしく俺の下着を下げると、完全に萎えている状態の俺のモノを取り出して、躊躇なく 銜えた。 「はむ、ふう、……」 「うっ……遊、」 遊は夢中になって俺のモノを頬張っている。口の中で舐めたり、先端を吸ったり、カリの部分を喉で刺激したり。 俺は、こんなことをするためにホテルに連れ込んだんじゃないのに。俺と違って、俺のモノは刺激に素直だ。 「ね……ひもひい?ひゃあく……」 「……くわえたまま、しゃべんなって……」 ペットにしてから数ヶ月。口淫を好む遊には よくさせてきたから、もう俺の弱いところは知り尽くしている舌の動きだ。 イキそうになったところで髪をグッと掴むと、チュポンと唇を離された。 今日は飲まないのかと思って遊の顔を見たら、我慢できないとでも良うように顔を歪めて俺のそそり立つモノを見つめていた。 「早く欲しい……っコレでナカをグチャグチャにされたいよっ」 「だから、性急すぎるんだよ。まだ慣らしてもいねぇだろ」 少し落ち着けよ、と俺は遊の前髪辺りを掴んでグイッと後ろに離した。それでも遊は、必死に俺のモノに手を伸ばす。 「ねえ、無理矢理挿れて」 「は?……ケツ壊れるだろ馬鹿」 突っ込みたいのは山々だが、まだ全然慣らしていないのにそのまま突っ込めるワケがない。 初めてヤった時みたいな絶望感を、また俺に味わわせるつもりなのか? 「いいんだ、壊して」 「…………」 「僕を壊して……写楽」 遊、おまえ…… 今自分が泣いてることに、気付いていないのか?

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