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幸せな朝

* 「ん……」  いつの間にか寝てしまったらしく、朝になってた。遊は、俺の腕の中でまだすやすやと寝息を立てていた。その寝顔は本当に子どもみたいだ。  今日はまだ日曜日だ。……ずいぶんと長い土曜日だったな。    朝から晩までずっと遊と二人っきりで、なんか色々あったけど俺は自分の気持ちが伝えられたし、こいつの想いも再確認できたから良かった。  もしかして幸せって、こういうことを言うのか?なんて…… 「……ん……」  ぷにぷにの白い頬に軽くキスしたら、遊も目を覚ました。 「……おはよ、写楽……」 「はよ」 「今、何時……?」 「七時半」  そう言った途端、遊はガバッと身を起こした。 「やば、学校!!お弁当っ!!」 「今日は日曜だっつの」 「あっ、そっか……」  そう言って安堵したら、また俺の腕の中に落ちてきた。 「まだ寝てていいぞ。明日も、あさってまででも」 「……なんで?学校は」  おい……。 「お前、なんで昨日ここに泊まったかわかってんのか?お前が帰りたくないっつったんだぞ、お前が」  お前が、をかなり強調して言った。 「そうだけど……それはありがとう。ホテル代はいつか返します。でもそんなに長いこといたらだめだよ。学校は行かなきゃ!」 「いらねぇよ、ホテル代なんか。梅月先生の許可は貰ったのに…くそ真面目な奴」 「え、うそっ!梅月先生が学校さぼるの許可したの!?そういうことに関してはメチャメチャ厳しいのに」 「お前の状態がよほど悪かったからだよ。……まぁ、今も心配かけてるっちゃかけてるけどな」 「あっちゃー……」  俺は腕に乗っていた遊の頭を退けると、むくりと体を起こした。 「じゃあ、帰るか」 「えっ?」 「えって……今度は何だよ」  遊も続けて体を起こした。一瞬帰りたそうな顔しやがったくせに、俺の目を誤魔化せると思ってるのかよ。 「だって今日はまだ日曜日だし……もうちょっと、一緒にいたいよ」 「………」  ああもうほんとに、こいつは……。 「わっ!?」  俺はラリアットするみたいに、遊を再びベッドに押し倒した。 「……チェックアウトは10時だとよ」 「は、はい?」 「それまで……シようぜ?」 「!!」 俺の顔を至近距離で見たせいか、期待してるからなのかわからないけど、遊は顔を赤くした。

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