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ホワイト・クリスマス

ホテルを出て、少しだけ歩くことにした。俺はもうタクシーに乗って帰りたかったけど、遊がまだ少し居たそうにソワソワしていたから。 様々な大小のビルはまだ殆どが明るく、ところどころに飾られているイルミネーションでオフィス街は通常よりも派手な景色になっていた。 それを眺めている遊の目はキラキラしている。目がでかいから、余計に光が入ってくるんだろう。そして遊は、俺を見上げて言った。 「ケーキ、すっごくおいしかった。コーヒーも!それに僕、あんな高級ホテル初めて入ったよ。隣のおじさんにずーっと睨まれてたけど」 「気付いてたのか?」 「一応ね」 気付いてたけど知らん振りしてたのか。やっぱりコイツ、大物だな。 そして遊は俺の前を歩いて空を見上げて、少し大きめな声で言った。 「写楽も一緒だし、イルミネーションも見れたし、最高のクリスマスだなぁ~」 「本番は、一応明日ってことになってっけどな」 すると、遊がピタリと足を止めた。 「写楽!雪が降ってるよ!少しだけ」 「おぉ……マジだ。ホワイトクリスマスってやつじゃん。積もらないだろうけど」 「うわあ素敵!映画みたいだ」 さっきよりも寒いと思ったら、空には粉雪が舞い始めていた。道理で寒いはずだ。 遊は雪に興奮して、手を広げたまま上を見上げて俺の周りを小走りで回っていた。満面の笑顔で。おいおい、本当にコイツ小学生かよ……いや、犬か。 「転ぶっつーの!」 俺は後ろから遊を抱きしめてつかまえた。 「転ばないよぉ」 「いーや、転ぶな。お前なら」 「転ばないって……ンッ……」 そして黙らせるように上からキスをした。遊の唇は冷たくて、ほんのりと甘い。 「んんぅ……」 くちゅ、と音を立てて角度を変えながらその唇を存分に味わった。通行人に見られてるとか気にしない。舌打ちだって聞こえない。 唇を離すと、遊は蕩けそうな目で俺を見つめていた。顔はリンゴみたいに赤くて、ほんの少し息が上がっていて、吐く息は熱くて白い。 「……俺にも早く、デザート食わせろよな」 「うん……」 俺は通りがかったタクシーを捕まえて、遊を押し込むようにして乗り込んだ。 * 家に帰ったけど、もうベッドまで我慢できなくて、浴室の中で遊と抱きあった。 「はッ……あ、写楽ぅ……あんっあんっ」 俺は檜で出来た風呂椅子に座って、膝の上に向かい合わせに遊を乗せている。 そして、いつか見たAVの嬢のように遊を泡まみれにして、その身体を使って俺の全身を洗わせた。 ……最初に断っておくが、この変態的なプレイを気に入ってるのは遊の方だ。俺も遊の腹に擦れて気持ちいいけど。 「あんだよ、湯気だけでのぼせてんなよ……」 「はぅッ……ぬるぬるして、ちんこ、きもちい、よぉ……ッ」 遊は俺の身体に自分の身体を擦り付けては悶えている。悶えているのは、俺が太ももで遊のソコを刺激しまくってるせいだ。 「ヨガってねぇで、もっと真剣に洗えって」 「ああっ、あああんっ!だめえ」 確信犯のようなことを言いながら、俺は片手で遊を支えて反対の手では赤くぷっくりと起った乳首をクリクリといじった。それがたまらないのか、遊は俺の首に手を回してギュッと抱きついてきた。 「おいコラ、洗えてねーぞ変態ペット」 「ひぁっ!ご、ごめんなさいっ……ご主人さまぁ……んんっ」 遊は俺にしがみついたまま、腰をくねらせてにゅるにゅると身体を擦り付けている。本当はもうペットじゃないから、前みたいに無理矢理命令したりはしない。 したくない……んだけど、遊はセックスの時は前のようにペット扱いされる方が燃えるみたいで、そういう風に扱って貰いたがるから俺は少し複雑だ。相変わらずこいつはドМだ……っていうか変態すぎるだろ。 まあ、半分は俺のせいなんだけど。

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