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いつも、この瞬間に

「はぁっ……はぁっ……アァッ!」  イったあとは全身の力が抜けて、息を整えている間に今度は写楽の長い指がゆっくりと僕のナカにつぷりと侵入してきた。朝方までずっとシてたからか、潤滑剤が無くても僕の後孔は彼の指を難なく受け入れる。 「遊、のぼせてねぇか?」 「だいじょうぶ……」  どんどん上昇していく僕らの体温とは裏腹に、お湯の温度は少しずつ冷めてきているから昨日みたいに湯当たりすることは無さそうだ。 「じゃあこっち向いて、俺の上に乗れよ」  ――え? 「い、いったん指抜いてくれる……?」 「抜けないように動けばいいだろ」 「うぅ……」  エッチしている最中の写楽は少しだけ意地悪で、それが僕にはたまらない。僕のこんな被虐的な気持ちはとっくに彼に伝わっているから、いつも少しだけ乱暴な口調でシてくれるんだ。優しいな、と思う。 「はぁっ、あっ」 「……上手くできたな」  言われた通り、写楽の指が抜けないようにゆっくりと腰を回して、今度は向かい合せになった。後ろから抱きしめられるのも好きだけど、向かい合って写楽の顔が見れるのはもっと嬉しくて、僕は無意識に彼の指をきゅうっと締め付けてしまった。 (キスしたいな……)  何も言ってないけど、伝わったのか――それとも彼も同じ気持ちだったのか、 「ン……」  顔を引き寄せられたから僕は目を瞑って、写楽の肌に触れながら首に手を回すと、僕らの唇は自然に隙間なくくっついた。舌を入れて舐めたり吸ったりして噛んだりして、飲みきれない唾液をひっきりなしに交換しあう。その間も彼の指はぐちゅぐちゅと僕のナカを拡げていて、前立腺に当たるたびに僕はビクッと身体を揺らして反応した。 「はぁっ、はぁっ……」  僕と写楽の、熱っぽい視線が交差する。 (気持ちいいけど……また一人でイクのは、嫌だ) 「写楽、もう挿れて……おねがいっ」 「ん……じゃあお前が自分で乗ってチンコ挿れろ」 「うん……っ」  挿れていいと言われたので、僕は写楽の両肩に手を付いて腰を上げた。ずるりと彼の数本の指が僕のナカから引き抜かれて、何も無くなったソコは物欲しげにきゅっと窄まる。 「んぅ……」  僕はお尻を動かして彼のペニスの位置を定めて、孔に擦りつけた。今まで何回もしたことはあるけど、自分から挿れる瞬間は、どうしても緊張して息を止めてしまう。 「……すげぇ、エロい顔」 (……きみだって……)  下から射られるような視線で見つめられるとひどくどきどきして、僕は息をするのを忘れてしまう。胸がくるしい。 「はっ……ぁ……!」  息を大きく吸って、全部吐き出して、止めて、彼のモノを一気にズブブブッと全部受け入れた。指とは違いすぎるその質量に僕の孔は思わず壊れそうになるけど、もう僕の身体は彼のモノを受け入れられるように作り変えられてるから平気なんだ。 「はぁ……はぁ……」  自分で挿れたあと、写楽の首にしがみついて息を整えた。そしたら…… 「ひゃっ!?んあぁっ!!」  いきなり写楽が僕の腰をがっしりと掴んで、下から思い切り突き上げてきたからびっくりした。激しくお湯が揺れて、ばしゃんと浴槽に波を打ち付ける。 「ずっとお前のエロい顔見せられてて、俺も我慢の限界だっつーの!!」 「あっ!あぁっ!ひぁっ!」  硬くて熱い写楽のモノが、僕のナカで暴れまくる。僕は揺さぶられるままに感じて、喘いで、歓喜の悲鳴をあげた。僕のせいで我慢できなくなったなんて、抱かれる側にとってはこの上ない喜びだから……。 「はぁっ……!もっと啼けよっ!声、聞かせろっ!」 「あ、そこっ!いい、もっと突いてぇっ!写楽、写楽ぅ……!」  気持ち良すぎて、何もかもがどうでもよくなってくる。  僕たちが何処へ向かおうとしているんだとか、どうしてこんなところにいるんだとか、僕の将来も、写楽の将来のことだって……。セックスって、人をダメにするのかな?  でも、それもどうでもよくなってくる。だって好きな人に抱かれて、僕は今世界で一番幸せな人間だと思うから。その事実は、変わらないから。 *  狭い浴槽の中はとても動きにくいから、いつのまにか僕は立たせられて真っ平らな浴室の壁にすがりつき、写楽は後ろから僕の腰を掴んでナカを何度も奥まで突いてきた。 「あっ!あっ、アッ!」 「ハッ!っく……!」  ぐちゅぐちゅ、パンパンというリズミカルな音が浴室中に響き渡って、耳まで犯されているような気分になる。写楽が僕の身体を支えていなかったら、とっくに腰が砕けてその場にうずくまっているだろう。 「あっ!あんっ!も、だめ、イク!またいっちゃうっ!!」 「俺もっ……!お前ん中、出すぞっ!」 「あっ!出していっぱい、写楽のせーし、お尻で飲みたいっ!」 「んっ!たっぷり飲み込めよッ……!」 「ひあッあ!ああーッ!!」  写楽が腰を振るたび、お湯とは違う暖かいモノが僕のナカに流れ込む。  すごくきもちいい。  このまま死ねたら最高なのにって、この瞬間、僕はいつも思うんだ――……

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