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4羽

食事を終え、ノアをベッドへと寝かせるとシャルルはベッドサイドに置いてあった小さな小瓶から砂鉄のように小さい粒の塊を数粒、ノアの手のひらの上に落とす。 「これ苦手なんだけどなぁ」 「仕方ないだろう?薬を飲まないと苦しいのはノアだよ」 分かってるよと眉根を寄せながらもノアは手のひらに落とされた砂鉄のような粒を口の中に迎え入れた。直ぐ様シャルルはノアにコップ1杯の水を渡そうとするがノアが首を振る。 「お兄ちゃんが飲ませて」 その言葉を聞いたシャルルは呆れたような息を吐きながらもコップの中の水を己の口に含む。 そして、ノアの顎を指で軽く持ち上げて己の唇とピンク色をした薄い弟の唇を重ね合わせた。 唇の隙間から水を渡す。 ゴクリと飲み込む音がシャルルの耳に届いた。 薬を飲ませるという目的を果たしたシャルルだが、その唇は離れず啄むような口づけが繰り返される。 次第に小鳥のじゃれ合いのようなキスから舌を絡め合う口づけに変わり、水音が部屋に木霊する。 「ふぅ…んっ…」 互いの息を肌で感じ、舌を絡め合う。お互いの体温で高め合った身体が兆しを見せる。 「おにぃちゃん…」 お互いの掌が服の中に侵入して肌を弄る。少し低いノアの体温に心底ホッとしている。ノアはたしかにこの胸の中にいるのだ。

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