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8羽
「おうさま…」
驚きのあまり声が出る。慌てて片膝を折ろうととするのを王様が片手を上げて止めた。
「畏まらなくてもいい。私は確かにこの国を収める立場だが、今この時間だけはアトラスという一人の人間でいたいのだ。だから普通に接してくれて構わない」
王様直々にそう言われれ下げようとしていた頭を上げた。
「今回はどのような事をいたしましょうか?」
カミラからはプレイ内容を一切聞いていない。シャルルを指名してくる時点で普通のセックスを楽しむ事はないだろう。
「茶を一緒に飲んでくれないか」
茶?思わずそう聞き返してしまったシャルルにアトラスはあぁ、と頷く。
「私は君を知りたい。君がどんな人物で、何が好きか、何か嫌いか。私はそれを知りたいのだ」
それが客の要望だと言うのならキャストは応えなければならない。促されるまま王様と向かい合って座る。
改めて見ると、絶世の美人と形容するに相応しい容姿をしている。月の光を編み込んだような長い髪を後ろでひと括りにまとめて、見つめられるている瞳は水銀のように妖しく煌めいていた。
その美しさに息を呑む。
「口に合わなかったかな?」
美しさに見惚れていたら王様がそんなことを聞いてきた。慌てて湯気の立っているティーカップの中身を飲む。いきなり熱い液体を流し込まれた舌は悲鳴を上げた、
「あっつ!」
ティーカップを戻し、火傷した舌を空気にさらして冷ます。
その様子を見た王様は慌てて立ち上がり、水を渡してくる。それを受け取り飲み干しながら、感謝の言葉を言った。
「火傷したら大変だ。舌を見せなさい」
言うとおり、べーと下を出す。熱心に火傷してないかを確認し終えた王様はほっと一息ついた。
「気をつけなさい」
それだけいうと王様は自席に戻っていった。
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