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21羽
ロジェの発情期が来たとの一報を入れたのはチャーリーであった。そして、ついてきてくれとシャルルに頭を下げたのもチャーリーである。
見慣れた渡り廊下を進み、別館へと足を踏み入れる。その別館の別室にはシャルルの弟ノアもいてシャルルは微かに眉を寄せた。
そのまま、ノアの部屋を素通りして突き当たりにある部屋へと足を踏み入れる。
しろ。シロ。白。
白で埋め尽くされたその部屋は異質そのものだった。部屋の中央に備え付けられたキングサイズのベッドでさえ白で彩らていて、極めつけはキングサイズベッドの中央に大輪の花が開いたかのような匂いを放つロジェにシャルルは固唾を呑んだ。
「発情期って本当にあんだな」
話だけしか聞かない発情期を目の当たりにしてシャルルは微かに瞳を大きくする。蝶や蜂を誘う花のように甘い匂いを放つオメガは、本能に抗えずにシーツの上でビクビクと身体を震わせていた。
ベータであるシャルルにとってもこの甘い萌芽に頭がクラクラしていた中、芳香なフェロモンの匂いに眉一つ動かさず入ってきた人物に流石のシャルルもロジェに対して同情した。
運命という強固な絆で結ばれたもの同士だというのにその思いは一方通行なのだから。
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