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1-15 一方で。
高校は男子校を当然選んだ。
結構な勉強が必要だったがそこしか選択肢がなかった右は必死に食らい付いた。
おかげで高校は普通に楽しく過ごせていたし、
そのおかげか多少女性が近くにいても平気にはなっていた。
なんの身に覚えもない恐怖症なのだ、普通に恋愛対象は女性だったし
中学時代も好きな子はいた。
高校を卒業し、失われた青春を取り戻そうと意気込んで教師を志し大学へ入学した。
そこで運命の人に出会えたと思った。
例え体調不良になっても側に居たいと思える人に。
彼女もまた男性が苦手という同じ問題を抱えた人間で、
だからこそお互いの苦しみが分かり合えて、すぐにお互いに惹かれて行った。
中学の時よりも多少は平気になっていた右は、
このまま彼女と愛を育めばもしかして治るかもしれないなどとすら考えていたし
恐らく彼女もそうだったのだろう。
何度も会って、ようやく手を繋ぐことに成功して
お互いに大丈夫だった時には喜び合った。
抱き合ってみて、キスを、してみて。
大丈夫だ、この人となら。
やっと、やっと。普通になれた。
そんな風に、思っていた。
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