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1-18 一方で。
気付けば付き合っていることになっていて、
気付けば彼と一緒に住んでいて、もう何年になるだろうか。
それでも別にこれで良かったのかもしれない、と思えるくらいは
あの一生懸命な男があいもかわらず
自分に忠実に真っ直ぐ生きている様を近くで見ることに
普通に幸せを感じてしまっているし
彼の側にいさせてもらえるだけで、
何か自分が正当化されていくような気さえしていた。
左は右の抱えている性質を知らないし、別に隠しているわけではないが
なんとなく言えずにここまで来てしまった。
大人になってから一応病院なども行ってみたが、
パニック障害だの不安障害だのなんだのと色々と診断されてみたものの
気持ちを落ち着ける呼吸法、ぐらいしか役には立っていなかったが
そもそも原因がなんなのかもわからないし、
こういうのは治そうと思えば思うほど酷くなっていくので
上手く付き合って行くほかないんだろうなぁ、とどこか諦めてもいた。
とはいえ今日のようなことがあるとやっぱり過去のことなどを思い出したりもするし
普通とは明らかに違う自分に嫌気が差したりもするのだった。
自分は社会不適合者で、世界から歓迎されていなくて
みんながやっている当たり前のことすら出来ないのだと。
それゆえに、
もしかしたら彼には知られたくないのかもしれない。
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