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1-20 一方で。
本当に左は不思議なやつだ、と思う。
さっきまで死にそうに痛んでいた心臓も今は落ち着きを払っている。
「本当に?無理してない?」
「大丈夫だよ。驚かせてごめん」
右はリビングに向かったが、左は後ろをついてくる。
キッチンに辿り着き、冷蔵庫から麦茶を取り出してコップに注いだ。
「……僕に言えないこと?」
コップに口をつけたところでじっとこちらを見ていた左が呟いた。
無視をして右は液体を飲み干した。
「なんでもないってば、ちょっと疲れただけ」
右がそう言うと左はどこかしゅんとなっていて、
なんで自分のためにそんな顔をするのか理解できないのだが
右はため息を零しながら彼の頬に人差し指を突き刺しておいた。
「お前の顔見たら治ったよ」
これは割と本当なのだけれど。
左はどこか疑うような目で見つめてくる。
「本当にぃ?なんか急にデレられると疑っちゃうんですけどぉ」
「はぁ?」
「ボディチェックしまーす」
多分機嫌はもう戻っているらしいのだが、左はそんな風に言いながら右を抱き寄せてきて
腰に回した手でするりと衣服の中に侵入してくる。
「ちょ…おい…!」
右は暴れるのだが、片手を掴まれて腰に回した手が身体を密着させ
そのまま唇を奪われてしまった。
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