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1-30 隣で見てる。

左はベッドに投げ飛ばされたが、 またふらふらとゾンビのように身体を起こそうとする。 「みぎまって…いっちゃやだ…」 服を掴まれて、右はやれやれと思いながらもベッドに腰掛ける。 「わかったわかった。 ここにいてやるから寝なさい」 「ん…」 左は子どものように右の背中に張り付いて、どこか泣いているらしかった。 何を泣くことがあるのか分からなかったが、彼は右の身体を抱き締めてきて嫌な予感がした。 「右…」 ぎゅう、と強い力でホールドされて右はどうにか逃れようと抵抗するのだが そのままベッドに押し倒されてしまった。 「おいこら、酔っ払いの相手なんかしないぞ」 「右…好き…」 「は、ぁ?」 左は右の腕をベッドに押し付けたまま、顔を近付けてきて 唇を重ねてくる。 右は咄嗟に首を動かして逃れようとするが、追い掛けられて尚も塞がれてしまう。 「っん、…ゃ、めろ、って…」 逃げては塞がれを繰り返して、抑え付けられた掌に指が絡んでくる。 彼の舌が侵入してきて、口腔を犯され始めると 勝手に身体が熱を持ち始めてしまう。 「ん…、ッ、んん…」 息苦しくなるほどめちゃくちゃに貪られて、 どこか頭がぼうっとなっていってしまう。 彼の膝が足の間に入ってきて、その場所を刺激され始めるとビクッと身体が揺れる。 このままこの酔っ払いのいいようにされてたまるか、と右は彼の唇を噛んだ。 「っ…いた…」 「…ばか!調子乗んなマジで!」 唇が離れた隙にどうにか暴れて彼を押し返し、 ベッドの上にひっくり返した。

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