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1-31 隣で見てる。

「明日記憶無い奴とは、致しません」 右は呼吸を整えながら口元を拭うと、 彼は力無くベッドの上に横たわって、滲んだ瞳で見上げてくる。 「あるし…」 「無いだろ…絶対」 「お願い…いかないで……」 左はそう言いながらも涙を零し始める。 「……っ、右がいなくなったら、僕はダメなんだぁぁ…」 「はぁ?」 ベッドに寝転がったままぐすぐすと泣き始め、 訳のわからないことを言い出されてしまう。 右は仕方なく彼の頭を撫でてやった。 「全く…どうしたんだよ…?」 確かに彼は表情豊かで子どもっぽい所があったが 酒の力とはいえこんな風になられると、放っておくこともできない。 「だっ…て、だってさぁ……っ」 左は両手で顔を覆って震え始めて、 どうやら只事では無いらしい。 「…左?」 「…っなんにも…知らないでかってに…、勝手に…っ!」 彼の近くに身体を寄せると、左は寝転がったまま右の腹の辺りに抱きついて来て 大号泣し始める。

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