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1-47 遊び
その瞬間、突然凄まじい音が鳴り響いた。
全員が顔をあげると、店の入り口のドアが今まさに吹っ飛ばされていった。
高級そうな作りの重たそうなドアだったが、まるで板切れのように空中を飛び床に倒れる。
凄まじい音とは裏腹に一瞬店内ははしんとなった。
「こんばんはァ楽しそうなことしてますねェ
俺も、いーれェてェ」
そんな空気を切り裂くように、えらくドスの利いた声が響き渡った。
吹っ飛ばされたドア枠の向こうには、パジャマ姿の冷徹鬼番長が立っていた。
「な、なんだ!?」
「誰!?Mrヤ!?」
男達が焦り始める。
ヨコ番長はパジャマのポケットに手を突っ込んだまま堂々と店に入ってきた。
瞳孔は開ききり口元には笑みが浮かんでいる。
「くそ…!助けに来やがったのか…!?」
男達がヨコに対して臨戦態勢を取り始めた。
「助けに?まさかまさか
好きなだけ遊んでいいって聞いてきただけだが?
なんでもここにいる方々って人権ないから殴っても無罪なんだって?」
ヨコはニコニコと笑顔を浮かべ、
数人の大男達に怯える様子もなく近付いていく。
「あ…あの方は…っ…まさか…!」
右の身体を抑えていた男がガタガタと震え始めた。
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