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1-58 微睡と本音
「今…何時…?」
「さあ…知らね」
返事を返していると、左はこちらに身体を寄せてきて
右の身体を抱き締めてくる。
「ん、んん……右いい匂い…」
左は右の頭に顔を埋めながら、そんな事を言っていて
いつもなら嗅ぐなと突き飛ばしているが、そんな気力もなく
むしろ彼の体温が心地よくて右も彼の胸に顔を埋めた。
「右…?」
「…何」
「…キスしても、いーい?」
抱き締められながら眠そうな声が頭の上で響いて、
右は顔を上げた。
「ん」
彼に顔を向けて目を閉じると、そっと唇が触れる。
ちゅ、ちゅ、と軽く唇を吸われるとなんだかくすぐったくて
笑いそうになりながらも彼の頭に手を回した。
「ひだり…」
いつもは結構恥ずかしいのに、なんだかどうしようもなくそうしていたくなってしまって
右は彼の唇を貪るようにして食みながら、やがて口腔に舌を侵入させる。
彼の舌を捕まえて、めちゃくちゃにしながらもただでさえ大爆発していた彼の髪を更にぐしゃぐしゃにしていく。
「っ、ん…、はぁ…」
くっついた所から、とくとくと彼の心臓の音が聞こえる。
唇の端からお互い熱っぽい呼吸が唇や舌が触れ合う音と共に漏れていて、
頭がぼうっとなるのを感じていると、キスを繰り返しながらも
彼の身体が起き上がり、上に覆い被さりながら深く口付けられる。
「…は、ぁ…っ、ん…ん、」
飲み下しきれない唾液が溢れ始めていると、ようやく口が離されて
右はぼうっと彼を見上げた。
「ねえ…えっちすぎ」
左は上がった呼吸を繰り返しながら、
こちらを見下ろしてくる。
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