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1-59 微睡と本音
「嫌?」
「いつもこうだったらいいのに」
「ばーか」
右は意地悪く笑いながらも、彼の首の後ろに手を回してまたキスをせがんだ。
確かにいつも自分は、何故だかちょっと素直になれない所があったりもするが
別に普通に彼が欲しい時だってあるし。
誰にともなく言い訳しながらも、彼の手が服の中に侵入してくる。
素肌を優しく撫でられ、胸の突起に指先が触れると
ぴく、と身体が反応してしまう。
「かわいい…右…」
上擦った声で左は呟き、ちゅ、と額にキスを落とされる。
突起を指先で弄られると、じわじわと熱が身体を蝕んでいく。
「はぁ…、」
他の人間に触れられた記憶が蘇ってしまい、どこか罪悪感を感じながらも
言ったら怒るだろうなぁ、と黙っていることにした。
彼の唇に突起を食まれて、片方は指先で転がされ、
両方弄られると頭がぼうっとなって、額に手を乗せて天井を仰ぐ。
「ん、ぁ…、っ…ふ」
彼の片手が下半身に伸びてきて、服の中に忍び込んできた。
下着ごと衣服を下ろされ脱がされると、片足を曲げられて
足の間に彼の身体が滑り込んでいった。
胸の突起からの離れた舌が、つー、と身体の上をなぞっていって
びくびく、と身体が震える。
「痛かったでしょ…」
左は泣きそうな目で、見下ろしてくる。
自分ではよくわかってないが、蹴られたり殴られたりしたせいで
少々痛々しい身体になってしまっているのかもしれない。
「お前が、触ってるとこ気持ちいから…いい…」
思わず訳のわからないことを呟いてしまうと、
左はぱちぱちと瞬きを繰り返した。
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