64 / 66

1-63 微睡と本音

首の後ろに手を回して、そうやって唇を触れ合わせているのが心地良すぎて ゆっくりと内部を掻き回され始めると、自分もまた腰を動かしてしまっていた。 「ん…、っ、はぁ…左…、ん」 彼を呼びながら舌を絡めて、ぐちゃぐちゃに混ざり合うように貪って 段々と早くなる律動に、またどうしようもない熱に身体を支配される。 「はぁ、あ、…っ、ァ、う」 息苦しくなって口が離れると、甘い声が勝手に放たれていく。 楔に擦られると、切なくて甘く熱を帯びた電流のようなものが背中に走って行って 左の心臓の音だとか、乱れた呼吸だとかを感じると ぞくぞくと脳まで痺れているようだった。 「あ、ぁ…っ、ッ…あ…」 激しく揺すぶられ、膝を持ち上げられて楔を更に深く沈められる。 「ァ、…ーッ、や、ぁ、あ」 背中を反らせながらその滾った楔を受け止め、 深く打ち付けられると、瞳から涙が溢れていった。 どこもかしこも全部熱くて、溶けていきそうなほどにぐちゃぐちゃに掻き回されて 頭の中も身体中全部左でいっぱいで。 「ひだ、り…ぃ、…ん、っ…は」 勝手に溢れてくる唾液で溺れそうになりながら 眉根を寄せている彼を見上げた。 「っ…右、すき、…っ好きだ…」 両手に指を絡めながら、何度も何度も伝えられて 幸せに包まれながらも、その手を握り返した。 好き、好き、好き。 そんな言葉が身体の熱を余計高めて行く。 「ッあ、ァ…!っ、〜…ッ、ん、っ…!」 右は再び絶頂に押し流され、 視界がチカチカするのを感じながら唇を噛んで震えていた。 「…みぎ…、っ」 内部で彼の中心もまた弾けて、ぎゅう、と両手を握り締められる。 びく、びく、と何度も痙攣して涙を溢れさせながら彼の手に必死にしがみついていた。

ともだちにシェアしよう!