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海 —青い—
こんなに全力ではしゃいで楽しいのなんて、何年ぶりだろう。
「あー、楽しかった!」
腰の高さの浅瀬まで戻って来てから思わず口から出た言葉に、自分が拉致られてるのを忘れて遊んでいたことを思い出した。
楽しかったとか言ったら、まるで二人を許したみたいじゃないか。
「洸也が楽しそうだと、僕も楽しい」
俺のすぐ後ろをついて来たグレイが、焼けて赤くなった頬で嬉しそうに笑う。
あーもういいや、拉致られたとか強姦されたとか……だって今、それがどうでもよくなるくらい楽しい。
「はぁー……俺ってお人好し過ぎるのか、単純なのか」
「洸也はもっと単純でいい、やりたいか、やりたくないか、他人なんて関係ないでしょ?」
俺もグレイに似たようなことを言ったんだよな……俺は人にそう言っておきながら、自分は流されるだけの男だったんだよ。
「なんだよ、俺がやりたくないって言ってもいいのか? 俺に拒否権はないんだろ?」
「僕も僕のやりたいことをするからね、意見が一致しないのなら強い方の勝ちだよ」
アゴをグイッと掴まれてキスされた。グレイの少し強引なところも、実はそんなに嫌いじゃ無い。
口元をこじ開けられて、舌が入ってくる。俺の背中から腰を撫でながら絡めてくる舌に、想いを返すように側面を舌でなぞった。
「洸也ッ……!」
ぐっと抱き寄せられたら、足の付け根にグレイの硬いものが当たる。
またグレイに軽く抱えられるように押されて歩いて、足首くらいの深さで押し倒された。
「今のは合意でしょ!?」
「えっ、ここで!? 外だぞ!」
グレイの瞳は太陽にも負けないくらいギラついていて、全裸で主張しているそこは我慢出来ないとばかりに上を向いていた。
「シャワー浴びてから、ゆっくり……」
「外で堂々となんて、ここじゃなきゃ出来ないよ」
そうかもしれないけど!
ジェイスに止めて欲しくて見渡したら、コテージの脇にある水道でシュノーケリングの道具なんかを洗っていた……全裸で!
「約束守ってあげるね」
「うわっ!?」
頭をつけたら波で溺れそうで、必死で肘をついているのに……グレイは遠慮なしに俺の足を抱え上げた。
やめろ! この格好はまんぐ……じゃねぇな! ちんぐりだな! 恥ずかしいからやめろ!
「グレイッ!? 待て! ちょッッ!!!」
舌先で尻穴を舐められて、そこから背筋にゾワゾワとしたものが走った。
「やっ……! 舐めっ……!」
「しょっぱいね、ちゃんとするのはベッドの方がいいみたい」
めちゃくちゃいい笑顔なんだけど、俺は恥ずかしすぎて直視できない!
「ほらよ」
俺の上に影が落ちて来たかと思ったら、さっきまで道具を洗っていたジェイスがグレイに何かを渡して……って、それローションんんんんんっ!
「本気でここでヤんの!?」
「洸也もそのつもりでしょ?」
確かに、俺のもギンギンなんだけどさ。
遮蔽物が一切ない開けた場所で青姦なんて、確かに後にも先にも経験することはなさそ……いや、こいつらと一緒だと今後もあり得そうだな。
俺が後ずさるように肘でズリズリと移動すると、ジェイスが俺の両脇を掴んだ。
「洸也、まだ逃げるつもり?」
少し不愉快そうに、グレイが眉をしかめる。
「いや、ここだと海水入りそうでイヤだなって……思って」
いくら綺麗なエメラルドグリーンの海でも、体内に海水を入れたくはない。
「なんだよ、コーヤもその気じゃねーか!」
ジェイスに波が軽くかぶるところまで引きずられて、そのまま両腕を砂浜に押し付けられた。
「なっ、逃げねぇよ!」
「野外でレイプされてるみたいで燃えるだろ?」
いや、俺にレイプ願望はねええよ! 実際にされたからな!
「どんなに大きな声を出しても、僕たちにしか聞こえないからね」
なんだそのセリフ、レイプ風を装っているのか、本気で言っているのか。
日向に置いていたのか、少し熱くなったローションが俺の体に落ちてくる。
「気持ちいいこと、いっぱいしようね」
「グレっ……イッ!!?」
片足を持ち上げられて、グレイの指を俺の尻穴はいとも簡単に飲み込んだ。
「あっ! ゆびッ……入っ……!」
「昨日もたくさんしたから、まだ柔らかいね」
「広げるの、オレがしてやろうか?」
ジェイスが俺の頭側から手を伸ばして、太ももに指を這わせながら、尻穴に入りたそうに爪でカリカリしてきてッ……!
「ジェイスっ、それやめっ……!」
「洸也、今締まったよ? 期待してる?」
「じゃあ応えないとな」
グレイの指が入ってるのに、ジェイスの太い指も俺の中に入ってくる!
「あっ! あっ!? 二人でっ……!?」
野外で二人に尻穴をいじり倒されてる状況。
グレイの中を撫でながら出入りしてくる指と、ジェイスの太い指が広げようと引っ張ってくる。バラバラに俺の中で動いて、好き勝手に触られて……。
「す……こしは遠慮っしろッ!」
「なんで? 洸也はこうやって僕とジェイスに構われるの好きでしょ?」
「――っ!!!??」
「締まったな、お尻で返事するなんてコーヤは素直だな」
「別に俺は……あ゛ッ、アッ! あぁっ!?」
グレイが俺の前立腺を押してきたかと思ったら、合わせてジェイスまで一緒になって探し当ててきてッ……中で指が交互に俺の弱いところを責めてくる!
「あぁぁっ……やぁっ! やぁぁぁんっ!」
「もう我慢できないよ、いいよね?」
「またグレイからか!?」
「洸也は僕の恋人だよ」
グレイがジェイスを押しのけて、俺の上に覆い被さってキスしてくる。表面は少ししょっぱくて、舌を絡めたらいつものグレイの味がした。
雲ひとつないような青空の下で、グレイの肩でキラキラ光る水滴が眩しい。
眩しさに少し目を細めると、グレイに背中を持ち上げられて、うつ伏せになるように促された。
「洸也の背中、いっぱい砂がついてる」
「砂浜なんだから仕方ないだろ」
「汚れてるのもいいね、すごく興奮するよ」
時々波が来るような場所だから、完全にうつ伏せに寝っ転がるのは無理だ。自分から四つん這いになるような状況に、羞恥心が煽られる気がした。
「洸也、入れるよ」
興奮気味に先を擦り付けられて身構えたら、グレイの性器が遠慮なく侵入してきた。
「んんんっ……!」
ぬぶっと奥まで差し込まれて、頭の中がビリビリ痺れるような快感に、思わず砂を握り込んだ。
「コーヤ……オレは仲間はずれか?」
ジェイスが俯く俺の眼前に、自分のを差し出してきて……顔を上げようとしたけど、ジェイスの表情を確認できるほど首は上がらない。
「ジェイス……」
どんな顔をしているかは分からなかったが、寂しそうな声を出されると弱い。ジェイスには何かと世話になっているから、邪険にしたくない気持ちが上回ってしまう。
「んっ、ふっ……もう、喉まで、突っ込まないなら……っ! あ゛っ!」
グレイから遠慮なく腰を振られて、途切れ途切れになる声で必死に伝えた。
ジェイスが目の前であぐらをかいて、俺を脇から抱えるように持ち上げて上半身を膝に乗せた。腕に当たる砂の感触から、ジェイスの弾力のある肌に変わる。
「洸也は優しいね」
「お前がジェイスを邪険にしす……っん゛んんっ!」
「僕の代わりに優しくしてるの?」
「はあ゛っ!? あ゛ぁぁぁぁっ!」
疑問形で聞いてきたくせに、答えさせる気はないのか、前立腺をゴリゴリと潰してきた。
ジェイスに縋り付くように体重を預けると、目の前に太陽に照らされてそそり立つ巨根が……!
無理やり俺の口に突っ込むわけではなく、でもして欲しそうに俺の頭を撫でながら口元に擦り付けてくる。
「はぁっ……あっ、あっ……んぅ」
先端を口に含めばヌルッとしていて、俺にして欲しくて濡らしてるのかと思ったら、こんな大きいブツも可愛く感じる。
「コーヤ、ゆっくりでいいからな」
「洸也、僕を感じて?」
ジリジリと背中が陽に焼かれているのを感じながら、男三人で野外でセックスしてるなんて……。
時々ザパッと自分の足元や、ジェイスの下に波が到達する。波の音で、自分が犯されている卑猥な音はかき消された。
「んんっ、ん゛っ! んぶっ……あっ、やっ……!」
グレイの動きが強く激しくなってきて、これ以上ジェイスのを咥えていると噛んでしまいそうだった。
「あぁっ、激しっ……も、できな……ん゛んっ!」
ジェイスの膝の上に頭を預けて、せめてもと根本を横から舐めた。
「苦しそうな洸也も燃えるけど、僕は気持ち良さそうな声も聞きたいなッ……」
興奮して、息を荒げるグレイの声にゾクゾクした。
「オレもコーヤの声聞きてぇな、気持ちいいんだろ?」
「ん゛っ、気持ち……いいっ、イイッ!」
「どんなに大きな声を出しても、誰も聞いてないよ? 洸也も、もっと熱くなって」
ジェイスの体に縋り付いていた手を、目の前のそれに誘導されて……必死で上下に扱いた。
でも意識は完全に下半身に向いていて、一番奥に叩きつけられる性器をもっと感じたくなる。
「あぁぁっん! グレイっ! もっと、もっと……!」
自分でも驚くほど大きな声で求めたのに、その声は全て反響することなく空に吸い込まれる。
「ここ? ここ好きだよね?」
「あ゛ぁぁぁぁあああっ!」
「ハハッ、洸也! すごく腰振ってるよ! もっと欲しいの?」
前立腺を擦りながら、一番奥まで入れられたら体を揺さぶられて! 俺の体……っ、もう……ち◯ぽに支配されてるッ……!
パンッパンッと肉がぶつかり合う音が聞こえるが、音が反響しない事で開放感を感じる。
野外で後ろから犯されてっ……! 理性が吹っ飛ぶ……もう、気持ちいいッッ、気持ちいい!
遠慮なく尻をグレイに押し当てるように振れば、快感がどんどん増していった。
「はぁっ、ああっ! 気持ちいい! グレイのち◯ぽ気持ちいいいっ!」
「ああっ、すごい……洸也っ……! 気持ちよすぎてっ、もうきちゃうよ!」
出して欲しいっ……俺の中にグレイの精液っ! 興奮してジェイスのを握る手を強めたら、ジェイスのくぐもった声が上から降ってくる。
「コーヤ、いいスケベだな……! 次はこれ欲しいだろ?」
「欲しっ……ジェイスの、入れてっ……!」
「洸也っ!! 今は僕だよ!」
「ひぃんっ!?」
パンッと突然お尻に強烈な痛みが走って、自分が叩かれたのだと気付いた。
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