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デビューって
−−−島野瑞希side−−−
昨日は初めてのお店での練習。
緊張しちゃったなぁ。お店の中もよく見なきゃだったんだろうけど、そこらじゅうエッチな物で溢れてる気がしちゃって、ほぽほぼずっと遼一ばかり見てた。
なんか、様子がおかしかった気がするんだよね。気のせいかなぁ。
はっ、まさか俺がなかなか使い物にならなそうだからウンザリしてきてるのかな……。
ほんとだったら、もう店に出てなきゃおかしいんだろうな…。その業界のことは知らないけど、そんな気がする。
一緒にお風呂入ってる時、背中に遼一のが当たってきてて…同じ男だから分かるけど、「それツラくない?」って言いそうになった。
俺は背中向けてたから気づかれなかっただろうけど、俺のもしっかり勃っちゃってた。
あの場でお互いに自慰をして出すのが正解だったのかな?エッチな店だもんな…。
それともお店だから、触りっこする感じなんだろうか。
結局、体を洗ってあげる(ちょっとエッチに)、一緒にお風呂に入る、までの情報しか分からなかった。
そのくらいなら、どうにか出来そうだから、もっと何かあるんだろうな。
怖い。一応心の準備はしてきたはずなのに、いざとなると遼一相手でも何も喋れなかったし行動できない。遼一からリードしてくれないと俺は何も動けないんだ。これが、遼一以外の赤の他人が相手だと思うと、余計に怖い。触りたくもない。そんなワガママ言える状況じゃないから考えるだけ。
勃起したまま、遼一も勃起してて後ろにいるって状態はどうしていいか分からず辛かったけど、遼一の体温は温かくて、俺より大きな体躯で守ってくれてる感じで、このまま、この瞬間で時が止まればいいと思った。
勃起したモノを触らず落ち着ける為、遼一の体温を感じながら、二桁のかけ算を頭の中で計算して落ち着けた。難しければ難しいほど集中出来るだろうと安易に考え、99×99から、かける方の数を一つずつ少なくしていった。思いつきだったけど、落ち着かせるには良い方法だったらしい。
遼一に「そろそろ上がって着替えよう」って声をかけられる頃には、しっかり鎮まってくれていた。
あと何度。あと何日。
好きな人に包まれたり、教育と称してキスしてもらえたり。こんな幸福な思いが出来るのは、あと何度だろう。
あと何日、俺は遼一の部屋にいられるんだろう。
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