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 遼一がゴクッと唾液を飲み込む音が聞こえた。俺たち、そんな音が聞こえるほどに近い距離にいるんだ。  二人きりの部屋で、こんなに近づいて、心の距離も近くて、頭の中自分と遼一しかいない時間。  チュッ。見てられなくて顔を背けてたら、リップ音とデリケートな部分に感触があった。 「なっ、遼一、そこはおしっこ出るとこだから汚いじゃん!」 「汚くなんかないよ。尿以外にも出るだろ?」  言いながら、唇を近づけるだけじゃなく、舐められて遼一の口内に含まれた。あっつい。  そこがそんな熱くなった記憶ないし、粘膜に包まれて、その粘膜は遼一の一部で、もう、どうしたらいいか分からない。汚いよと思いつつ、遼一から与えられる感覚は明らかに快感で、その気持ちよさに酔っていたい気持ちもある。  気持ちよさと、恥ずかしさと、嬉しさと、好きな人とエッチなことをするって、こんなにも沢山の感情が後から後から湧水みたいに湧いてくもんなんだね。 「もぅ………」 「瑞希可愛い、俺の愛でこんな蕩けた顔してる瑞希可愛い」  股間から顔を上げた遼一の顔は蒸気してて、遼一こそカッコよくてズルいよ。それから急に愛とか言い出すのもズルいよ…。 「俺も同じのする」 「えっ、いいよ、瑞希にはまだハードル高いって」 「やだ、遼一がしてくれらんらから、俺も…」 「舐められて口も回らなくなっちゃたの?やっぱり可愛い」  さっき遼一がしてくれたみたいに、遼一のベルトに手をかけて、自分でもびっくりするほど乱暴にベルトを抜いて、ズボンと一緒にトランクスも下げてしまってた。 「瑞希ってば、こうと決めたらせっかちだよね」  むっ、余裕たっぷりに笑ってる遼一はやっぱりズルいなと思ったので、トランクスからぶるんと飛びてたソレにかぶりついた。 「でっか……どうやればいいの?」  口に含んだだけで口いっぱいになってしまうソレをどうしていいやら、両手で掴んで先を舐めながら訊いたら、案外遼一が恥ずかしそうにしてるのに気づいて、このまま続けてみようと思った。  遼一の匂いが密集して濃いような匂い。  分からないなりに一生懸命舐めたり、少し含んだりしていたら、先走りが出てきて、感じてくれてるんだって嬉しい。もっと出てこないかなって、尿道の入口を舌でグリグリ、グリグリ開くようにしてたら上からストップがかかった。 「待って、瑞希……ちょっ、と、エロいよ……。もういいから口から離してこっちおいで」 「何?」 「俺の片方の太ももに跨って」  これも分からないままに跨ってみたら、遼一のアレと俺のがコツンとぶつかった。  そのまま遼一が、俺よりも大きな手で二つを抱えて上下に扱きだした。 「えぇっ、待って、これ恥ずかしいよ!」 「何言ってんの瑞希。さっきまでの方が恥ずかしい度合い高くない?」 「ええ?ふぁ………遼一、きもちぃよぉ、すぐ出ちゃぃそ…」 「俺も。瑞希と生きてくって決めたらスッキリしてさ。こっちも今スッキリしそう」 「りょ…いち…も、だめ……」  俺と遼一は何年か分の想いを同事に吐き出すことが出来た。    

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