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しかし、このままでは苦しい状態が続くだけ。恍惚とした様子で現状に浸りながらも、山吹は桃枝に懇願し始めた。
「お願い、しますっ。イキたいです、白菊さん……っ。イかせてっ、イかせてください……っ」
「そうか、お前はイキたいのか。……だが、どうしてやろうか」
「好きだからっ、白菊さんにイかせてもらうの大好きだからっ。だから、お願い……っ。お願いします、白菊さん……っ」
うるうると、揺れる瞳。言葉の通り──言葉以上に強請る、後孔の締め付け。
片手は山吹の乳首を弄ぶのに忙しいが、思えばもう片方が手持無沙汰だった。桃枝は空いた片手で、特に目的もなく山吹の脇腹をなぞる。
すると不意に、山吹の体がビクリと震えた。
「な、なにっ、や、あぁ……ッ!」
キュゥ、と。脇腹をなぞった瞬間に、後孔の締め付けがさらに増した。
思い返せば、山吹が当初予定していたお仕置きは【射精の寸止め】ではなく【くすぐり】だったか。思い出した桃枝は、山吹の脇腹をついっと指先でなぞる。
「お前は、脇腹をこうしてくすぐられるのに弱いのか?」
「そんなはず、ないですっ。ないのに、ど、どうしよぉ……っ」
なぜか、山吹は涙目になりながら戸惑っていた。
そしてすぐに、山吹は自分が戸惑っている理由を明かす。
「──乳首をいじめられて、お尻もいじめられて……体が、気持ちいいことしか考えられなくなってます……っ。脇腹なんて、感じたことないのに……性感帯、増えちゃいそうで……や、やだぁ……っ」
触っていないペニスが、先走りの液でベタベタだ。まるで既に射精したかのような濡れ具合に見える。
……ちなみに、今の『ヤダ』も『嫌ではないヤダ』だろう。ギリギリだが、桃枝にも分かった。
勘弁してほしい。これ以上、開けてはいけない扉をそちら側から開けないでくれ。桃枝は本気で、そう思う。
「んっ、は、あッ。も、らめ……っ。頭、おかしくなるぅ……っ」
開けたことがない扉の、見たことがない向こう側。山吹とは別の意味合いでなにかに目覚めそうになった桃枝は、ハッとする。
「イかせてっ、お願い……っ。白菊さん、白菊さん……ッ」
さすがの山吹も、限界らしい。さすがにこれ以上焦らすのは可哀想だ。元来、桃枝は山吹をベタベタに甘やかしたいタイプなのだから。
……だが、ただ『よし、イかせてやる』と言うのもなんとなく癪だった。ゆえに桃枝は、山吹の耳元に唇を寄せる。
「──分かった、イかせてやる。その代わり、お前もしっかり俺をイかせろよ」
「──っ!」
ギュッと、山吹が桃枝に抱き着いた。
「はいっ、もちろんです……っ! ボクのお尻で、いっぱい気持ち良くなってください……っ! ボクの体で気持ち良くなる白菊さんのお顔も、大好きだからぁ……」
さすが、山吹だ。桃枝に言われた『具体的にどこが好きか言え』という命令もこなし、あまつさえ横暴な命令にも応えるとは。有能すぎて、眩暈がしそうだ。
桃枝は脇腹をなぞっていた手で山吹の体をしっかりと抱き、山吹が特に感じるポイントを突き始める。
案の定、山吹は激しく悶え始めた。普段は怯えてなかなか触れてこないくせに、今は【恐怖】と言うものを考える余裕もないらしい。
「ぁあ、あっ! そこっ、奥をそんな──んっ、あぁッ!」
桃枝の腕を掴み、背を反らせて。山吹は桃枝の逸物に後孔の締め付けで奉仕しながら、派手に達した。
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