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番外編③ : 8 *

 山吹が並べていたコンドームを手に取り、桃枝はすぐに使用した。  慣らされた山吹の後孔に逸物をゆっくりと突き挿れ、二人はお互いの存在を強く感じる。 「繋がっているだけで、とてもドキドキします。セックスでこんな気持ち、白菊さんが初めて……」 「そうか」  ただ、黙ってくっついているだけ。それなのに山吹の後孔は、きゅぅっと収縮していた。山吹の発言を鵜呑みにするのなら、理由はそういうことだろう。 「でも、動いているときの方がドキドキします。白菊さんの気持ちが強く感じられて、白菊さんがボクで気持ち良くなっているんだって伝わると、ボク……」 「そっ、そうか。……言葉にされると、照れるな」  山吹の高揚が伝わってきたかのように、桃枝の心臓も騒がしくなり始める。  すると、先に山吹がアクションを起こした。 「このままでも気持ちいい、ですけど。でも、その……。動いてください、白菊さん……っ」  目の前にある山吹の顔が近付き、桃枝の唇に自らの唇を押し当ててきたのだ。  どうやら、我慢の限界らしい。……そんなところもお揃いなのだから、不思議な心地だ。 「んっ、あっ。……あっ、あ、っ!」  ゆっくりと、少しずつ。桃枝は腰を動かし、山吹の内側を蹂躙し始める。すぐに山吹は、動きに合わせて声を漏らす。  勿論、後孔だけではない。山吹が悦ぶポイントを、桃枝は熟知しているつもりだ。 「ぁあ、っ! ちっ、乳首っ。乳首も一緒にされたら──んんッ」 「『一緒にされたら』……なんだ?」 「やっ、あんっ! イジワル、やぁ……っ!」  放置してしまっていた胸の突起に、桃枝は指を這わせた。反対側には顔を寄せ、舌を這わせたのだ。  無論その間も、腰の動きは止めない。山吹の内側を何度も抉り、桃枝は山吹と激しく深く繋がった。 「やあっ、らめっ! ボク、イッちゃいます、っ!」 「いいぞ。お前がイクところを見たい」 「乳首を舌で虐めたまま喋っちゃだめっ。ホントにボク──あっ、ぁあッ」  ビクビクと、山吹の体が震えている。宣言通り、山吹は達したのだ。  後孔に逸物が強く締め付けられ、危なく桃枝も達するところだった。なんとか絶頂を堪えた桃枝は、肩で息をしながら惚けている山吹にキスをする。 「お前のイキ顔がな、俺は好きなんだ」 「そんな告白、恥ずかしいです……。……イヤじゃない、ですけど、っ」  山吹は赤らんだ顔を俯かせて、恥ずかしそうに悶えていた。達している際も堪らなく可愛いのに、その後もずっと可愛いなんて……。考えてから、桃枝は『山吹が可愛くない時なんてないな』と思い直す。  目の前に居る恋人に『年中無休の可愛いをありがとう』なんて思われているとも知らず、山吹は桃枝の服をそっと引いた。 「白菊さんの、ナカに出してください……。いっぱい、沢山。何度も、ボクのナカで……っ」  どうやら、まだまだ満足していないらしい。山吹の濡れた瞳を見て、桃枝は頷く。  部屋に在庫はあったはずだが、コンドームを補充したのは正解だったようだ。そんなことを思いながら、桃枝は山吹の体を再度、揺さ振り始めた。

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