2 / 61

2話

「……って、事で、アイドルゲイビ男優っていうのは、どうかな?」 「僕的には全然問題ないんですけどー! 寧ろ、アイドルになってモテたい? あ、違うかぁー……だって、僕には京平がいるんだもんねぇ。 売れたい! っていうのはあるのかもー! しかも、僕達のグッズが出たりしてー! うわぁー! そう考えるとゲイビだけじゃなくてアイドルっていうのも憧れるのかもー!」 「……でしょー! ま、そういう事だから、アイドルゲイビ男優の件、考えといてよねぇ。 君達なら絶対に売れるからさ。 とりあえず今は撮影の方宜しくお願いね」  と社長は玲音達にそう言うと、ソファから立ち上がり、どうやら次の仕事の打ち合わせに向かってしまったようだ。 「……アイドルねぇ」  諒馬は軽くそう呟くと、口を固く結び、何かこう感極まっているかのように思える。  そんな諒馬に玲音は、 「ん? 諒馬君、何感動してんの?」 「あ、え? あー、いやぁー、なんて言うのかな? まさか、自分がアイドルになれるとは思ってなかったっていうのかな?」  真面目に言う諒馬に玲音は、プッと吹き出し、 「ちょ、そこで吹き出すなんて、ちょっと失礼だなっ!」  諒馬は頬を膨らませてまで怒ってしまっているようにも思えるが、ふざけているようにも思えるのだ。 「そうじゃなくてー、変に諒馬君が真面目に言うから笑ってしまっただけで、諒馬君がアイドルになるって事を笑ってる訳じゃないよ。 確かにそうだよねぇー。 ゲイビ男優っていう仕事をしているのに、いきなりアイドルしましょうって言われてもピンって来ないのかもしれないなぁ。 ホント、ウチの社長はいきなり変な事考えるよねぇ。 でも、社長の言う通り、普段の仕事はゲイビ男優かもしれないけど、時間がある時にはアイドルっていう仕事も悪くはないのかもねぇ。 ほら、他のアイドルも週末だけやってる人達もいる訳だしさ……。 ま、いいや、とりあえずさ、社長も言ってたんだし、今日はもうゲイビの仕事しよっ!」  そう言って玲音は諒馬の腕を引っ張りソファから立ち上がらせるのだ。 そしてそのままスタジオへと連れて行く玲音。  今日のお仕事というのは、生配信。 今は何処でもネットを使って直ぐに配信する事が出来るからなのか、その生配信に登録し見るだけでで五千円、そしてもっと払いたいと思った時には、更にお金を払えるシステムになっている。 要はリアルタイムで売上みたいなのが見れるのだから、そこで配信している人達のモチベーションにも繋がるという事だろう。 「今日は何かコスプレとかするー? それとも、玩具攻め? 僕的にはなんでもいいけどねぇ」

ともだちにシェアしよう!