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5話
そういう所は玲音に似ている所なのかもしれない。
玲音は京平に今日のテーマみたいなのを告げて、諒馬と一緒に衣装部屋へと向かうのだ。
そうここの衣装部屋には各男優さんサイズに合わせてある衣装が用意してある。 だからいきなり今日の今日でテーマを決めても衣装部屋に洋服が用意されているのだから便利なのかもしれない。
衣装部屋に入ると、玲音は早速自分のサイズが置いてあるケースの中を覗く。
本当にそこにはありとあらゆる洋服があって、玲音の場合にはネコ専門なのだからスカートだってある位だ。 そうさっき玲音が言っていたようにヒラヒラのスカートドレスなんかもあったりして、ここで一人ファッションショーが出来るだろう。
「とりあえず、全員がアイドル衣装って事なんだよねぇ? んじゃあ、僕は、白とピンクのヒラヒラドレスー!」
そう言いながら玲音は嬉しそうにそのヒラヒラとしたドレスを選ぶのだ。
「諒馬君はどうするの? え? 諒馬君も今日はヒラヒラドレス着たいって?!」
急に何を言い出したかと思えば、全くもって諒馬が思ってもいないような事を言い出す玲音。 そんな玲音に諒馬が納得出来る訳もなく、
「ち、違うってばっ! まさか、俺がそんな衣装着る訳ないじゃん!」
と直ぐにツッコミを入れるのだ。
「え? えー? 僕一人だけ、この衣装切るのー? 何だか、それはそれで寂しくない?」
そう乙女のように目をキラキラとさせ諒馬の事を見上げている玲音。
そんな玲音の表情には弱い諒馬は一瞬体を固まらせてしまう。 いや人間誰しもそうだろう。 もう可愛い子にキラキラとしたような瞳で見上げられたら体を固まらせるのは決まっているのだから。
「あー、いやさ……」
そんな玲音の反応に、視線を宙へと浮かせる諒馬。 何とかして断りたいのだが、断るのが難しい空気に何とか断ろうとしているのであろう。
「あ、俺にはこういう衣装似合わないかなぁ? って思ってさ……」
「え? え? いつ、誰が諒馬君にこのヒラヒラドレスが似合わないって言ったー? いや、誰もまだそんな事言ってないよねぇ? それって、ただの諒馬君の被害妄想っていうやつなんじゃないのかな? それだけで、この衣装を着ないっていうんだったら、違うと思うのだけどー!」
玲音は本当に諒馬にその玲音と同じ衣装を着せたいのであろう。 こう必死になって言っているのだから。
「あー、でも、俺って基本的にタチだからさ、タチの衣装じゃないっていうのかな?」
「え? え? そうなのー? でもさ、実際問題、諒馬君の衣装の中にあるんだから着てもいいっていう事なんじゃないのかな?」
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