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37話 ※玩具

 そう京平は宣言すると、思い切り玩具のスイッチを入れるのだ。  部屋内には更に振動音が鳴り響く。 しかもいつもなら玲音のだけなのだから一つなのかもしれないけど、今日は玲音にも二つ入っていて、諒馬の中にも二つ入っているのだからいつもの四倍になって聞こえてくるのだから当たり前だろう。 「も、もう……きょ、京平さん……ダメだってばぁっ! 流石に、ぁああああん! これは、イっちゃうからぁー! 寧ろ、これはぁああ、変になっちゃうぅうう! 寧ろ、本当にイくってっ!」  玲音の方は快感には素直な性格なのだから、体全体をビクビクとさせ、今まで四つん這いだった体勢も快感で足が立っていられなくなったのか、気付いた時には正座になっていたようだ。 それでも襲いかかって来る快感に体全体の動きは止まらないようにも思える。 「もう、イくっ!」  と言ったと同時に玲音はお腹に力が入ってしまったのか、白い液体は当然なのだが、後ろの蕾から玩具と一緒に中に入っていたローションまでもが勢い良く出て来る。  そこで一瞬だけ力尽きてしまったのか、イってしまった事で体から力が抜けてしまったのか、玲音は荒い呼吸を繰り返しながらベッドの上へと体を横たわらせるのだ。 「玲音ちゃん、イっちゃったんだ……。 でも、イくっていう事は気持ち良かったっていう事なんだからいいんじゃない? だって、玲音ちゃんはこういうの望んでいたんでしょう? じゃあ、次は諒ちゃんの方だ」  そう言うと京平は今度諒馬の方へと視線を移し、 「諒ちゃんはどうしたらイってくれるのかな? 寧ろ、これだけでは気持ち良くないとか? 玩具で気持ち良くなれないのだったら、私のでっていう事になるんだけどな」  そこに思いっきり首を振る諒馬。  流石に京平が言ってる意味ではない。 寧ろ、心の方なのだから。 そう諒馬の場合には、いつもはタチなのだから、そのタチというプライドが邪魔をしているようで素直に気持ち良くなれていないだけなのだから。 「え? 違うの? じゃあ、諒ちゃんがイけない理由って何?」  その京平からの質問に考える諒馬。 まさか京平がそこまで聞いて来るとは思ってなかったのであろう。 「え? あー……いやぁ?」  そう諒馬は何でか京平から視線を離す。 「だって、中で動く玩具は気持ちいいんでしょう?」 「え? あ、まぁ……?」 「もしかして、玩具が中にある気持ちいいポイントに当たってないとか?」  そう言われてみれば、そうなのかもしれない。 もしかしたら、京平の言う通りピーポイントではその玩具が当たってないのかもしれないようだ。  確かに諒馬の場合、普段はタチの立場なのだから、気持ち良くならないようにしているのかもしれないのだが、京平の言う通り中にあるポイントに玩具が当たってないからこそ気持ち良くなってイけていないのかもしれない。

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