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⑤
「保、コレ…芝崎から貰ったんだけどよ。」
「わ~可愛い!…すっごく美味しいね、この飴。上原君も食べなよ~。」
手渡された飴をとりあえず口にする上原。
すると先に飴を食べた保が、見る見るうちに…
「あれ?なんか違和感が…」
…と思ったけど、少し髪が伸びた程度で大した変化が見られなかった保。
ところが─────
「えっ、上原く────」
そんな彼の前で小さくなったのは、まさかの上原の方…であり…
「げっ…間違えた…」
芝崎に言われた事をすっかり忘れ、青い飴玉…
つまりは年を取る方を保が。
そして赤い飴玉────すなわち、若返る方を上原が食べてしまい…
「かっ…可愛い!!」
「うおっ…!!」
保が27歳、上原が8歳児に…
変身してしまったようである。
「写真…ううん、むしろ動画をっ────」
携帯電話を構え、ウキウキとシャッターを切りまくる保。
「待てっ保!お前が、こっちの赤いのをだな…」
いつもの勇ましさもどこえやら。幼い顔をツンと強ばらせても。今の上原では、なんの威力も発揮されなかった。
「は~い、あっくん笑って笑って~!撮りまちゅよ~?」
「保ッ…!!!」
おしまい♥️
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