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②
「えっ、あ…えっと…」
どうしようかと目を泳がせるも、タオル一枚な状況の芝崎くんは。為す術もなく、困ったよう僕を見やる。
とりあえず彼を紹介しなくてはと、僕が口を開くよりも早く…
「あらやだぁ~、本当にイケメンさんじゃないの!」
先にうちのお母さんが歓声を上げ。
物凄い勢いで芝崎くんへと歩み寄っていった。
がしりと手を握られ、たじろぐ芝崎くん。
落ちそうになった腰のタオルを、もう片方の手でなんとか支えてる。
「保から話を聞いて、是非会いたかったのよ~。」
上原君、とお母さん。
え?と目が点になる僕と芝崎くん。
「なんせ、保の初めての恋人でしょう?この子大人しくてオクテだから…。最初は相手が男の子だって聞いて、そりゃあビックリしちゃったけど。貴方みたいな男前なら大歓迎だわ~!」
ホホホと笑い飛ばす母に、茫然とする僕と芝崎君。
お母さんのマシンガントークに思考が追い付かず、反応出来ないでいる。
その間にも、母の話は続いたが…
「保ったら恥ずかしがちゃって、なかなか紹介してくれないから────」
そこではっとして、ピタリと動きを止める。
…と、次には芝崎くんを上から下へ視線でなぞっていき…
「あらやだ~、私ったら!」
「あだっ!」
ごめんなさいね~と頬を染めながら、バチンと芝崎くんの背中を叩く母。
剥き出しの上半身は、さすがに痛かったんだろう。芝崎くんは泣きそうな顔で身を竦めていた。
そんなことはお構いなしに、母は続ける。
「ちゃんと連絡しておけば良かったわねぇ。野暮な事しちゃったわ~。」
悪戯に舌を出すお母さんは、オホホとわざとらしく口に手を添え、この場を去ろうとする。
…そして去り際にひと言。
「私の事は気にしないでね♥️」
若いって良いわね~と言いながら、
「あんまり羽目外したらダメよ~。明日も学校あるんだから…」
ほどほどにね~と、キャッキャッ騒ぎながら。
足早に自室へと引っ込んでしまった。
ぽかんとしながら、お互いを見やる僕と芝崎くん。混乱した頭の中を整理していると…先に芝崎くんが口を開いた。
「佐藤先輩のお母さん、ッスよね…」
「う、うん…」
「明らかに、勘違い…してるッスよね?オレと上原サンの事…」
しかも風呂上がりな芝崎くんを見て、更に良からぬ勘違いを────
「!!……お母さん!!」
その日夜遅くまで、僕が母の誤解を解くのに時間を費やしたのは…言うまでもなく。
「あら~、保ったらフタマタ?やるじゃないの、男前ばっかり捕まえちゃって。お母さん羨ましいわぁ~。」
「ち…違うってば~!フタマタなんて、僕は上原君一筋だしっ…」
「まあまあまあ~!保がノロケ話をする日が来るなんて…母さん嬉しい!」
「…もうっ、お母さんてば~!!」
「…っくし!」
「うわっ…きったね!受験生に風邪うつすなよ兄貴。」
「あ?風邪じゃねぇつの。誰だよ、俺の噂してるヤツは…」
おしまい☆
────────・・・・
結局カップルの絡み無しな仕上がりに…。
今回は時間軸的にパラレルに近いんですが…いずれは何処かで上原と保ママン、対面するんでしょうね。
保ママンは見た目も中身も、いかにもオカン!な人。肝っ玉でかなりミーハーな、話のわかるオバチャンです。
てか芝崎って当て馬に使い易いよね(-。-)y-゚゚゚
グダグダかつ低クオリティでスンマソン(*´σー`)
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