24 / 36
⑨
side.Akihito
元の鞘に収まった保は、抵抗する気力をあっさりと失い。俺の胸ん中で戸惑いを露わに、吐息を吐き出す。
「…俺のコト、このままにして逃げるつもりか?」
それでも獲物を捕らえる野獣の如く、
俺は飢えた眼光で、保を離してはやらない。
すると保は困ったように眉根を下げて。
オロオロと言葉を濁した。
「そんな、僕にどうしろっていうの…」
解ってるクセに、認めなくないのか…。
あくまでシラを切る保は下のムスコ同様、切なそうにしながらも頑なに首を横に振る。
そうは言っても見てのとおり、互いの下半身は既にガッチガチ。
お前はそれで我慢出来っかもしんねぇけどよ?
何気ないお前の行動に煽られちまった俺が、このオイシい状況をむざむざと見過ごすだなんて。
絶対に、有り得無ぇだろうがよ…
「は…ヤることなんて、ひとつじゃねーか…」
わかんだろ?
敢えて曖昧に、ソレを知らしめるべく俺の指が保の尻を擽る。
制服のズボン越しからツー…と割れ目をなぞり上げて。強めに擦り上げてやれば、保の脆い理性なんざ…
すぐに崩れちまうんだ。
「でも、でもっ…!そんなコト、しちゃったら…」
最後まで意地を貫く姿勢は、見てる分には可愛くていじらしいけど。それが皮一枚でしか繋がってないことは、明らかなワケで。
追い討ちとばかりに顔を寄せた俺は、保の耳元に向け熱く息を吐いた。
「そうだな、俺はあんまし動けそうにねぇからよ…」
こうなりゃ、方法はひとつ。
「保が動いてくれんなら、問題ねぇだろ?」
「…え…?」
まっすぐ見据えた瞳が、
少しずつ俺の言葉を理解してくのが判る。
何故なら…
「俺を、楽しませてくれよ…保?」
「…ぁ…ッ…」
戸惑いばかりを映していたハズの瞳が。
その瞬間、物欲しそうに揺れてたのを…
俺はちゃんと知っていたからだ。
ともだちにシェアしよう!