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⑩
side.Akihito
「んっ…ふぁ……」
「保、もっと舌出せ…」
時を刻む秒針の音だけが響く、部屋の中で。
ピチャピチャと唾液の絡む音と、互いの荒い息遣いだけが鮮明に聴覚を支配した。
あれだけ頑なだった保も、今は制服を脱ぎ捨てカッターシャツ一枚のみ。そんな悩ましい姿を晒し、俺の上に跨っている。
シャツのボタンは既に全開にはだけさせ。
ソコから覗くピンク色の乳首や、下から見上げた時の表情なんかは…スゲェ挑発的でヤラシかった。
「キスなんて、毎日シてんだろ…」
「…ぁ……って…」
そう。キスだけならほぼ毎日、数え切れないほどシてやってんだ。
なのに保から施されるソレは、いつまで経っても初心者そのもの。軽くちゅっと触れてくるだけの幼稚なもんだから…
俺が促して、やっと口内へと舌を忍ばせてはきたが…。
やっぱりままごとレベルの拙い動きで。
まぁ…お世辞にも上手いと言える代物じゃ無かったけど。コレはコレで、悪い気はしなかった。
「ん…ぅ……」
熱がある事を理由に俺がマグロに徹し、全てを保に委ねる。
…が、今まで俺にされるがままでしかなかった保は、どうしていいかも判らずオロオロするばかりで。
手探りなキスも、ただただ微笑ましいだけ。
首に降り立った唇も、ほんのり擽ったいくらいで…
吸い付く力は心許なく、虫さされにも遠く及びやしねぇ。
性的快感で言えば全然足りねぇけど。
保なりに俺を気持ちヨくさせようと、必死んなってんのが解ってたから。
暫くは俺も大人しく、保に任せてやったんだが…
そろそろ、次が欲しいよな。
「…んあッ……!?」
保がちゅっちゅっと奮闘してる隙に、丸出しになってる下半身へと手を伸ばす。
突然の事に吃驚した保は、一瞬行為を中断してしまったが────
「いーから、お前は続きしてろ。」
「う、んうっ…」
俺の命令に従い、仕方なくまた首筋に顔を埋めた保。それを見送った俺は、手の動きを再開した。
「う…ふ…あっ、あっ!」
スウェットをずらし、露わになった俺のムスコの上に、保のソレが丁度重なる位置にコイツは乗っかっていて。
直で触れ合うふたつのペニスは、まだ一度も触れちゃいねぇのに随分前から勃起して…物欲しそうに、蜜を垂れ流している。
「スッゲェな…」
「…やっ……ぁ…」
保の鈴口から溢れてる先走りを指で拭い、ソイツを後ろの蕾へと塗り付ける。
襞を掻き分けるよう指の腹で慣らしていくと、
ソコはヒクリと収縮して。
羞恥に震える保は、鳴きながら大きく身体をしならせた。
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