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side.Akihito 「ふ、ぅんッ…はぁ…」 物足りねぇからと唇を開き、より刺激を求める。 恥じらう保も怖ず怖ずとそれに従い、差し出しされた舌を俺は強引に絡め取った。 後は欲するがまま。 本能に縋り、ただがむしゃらに貪るだけ。 キスにかまけて溢れる唾液も省みず、夢中で互いの唇にかじりついた。 「あっ、ふ…ンはッ…」 熱い…ソレは本当に俺だけのものなのか、情事に濡れる保のものなのか。もはや区別なんてつかないほどに、どちらも蒸気を上げ汗を滴らせる。 電話の時点では、保に迷惑かけたくないとか…風邪移したくねぇとかほざいてたけど。 こうして本人目の前にすりゃ、それほど固くもなかった意思など呆気なく崩壊。今じゃ開き直って、キスだのナニだの存分に堪能シまくってた。 「上原く…ん、へーきッ…?」 キスで繋がったまんま、トロけた視線を向けてくる保。俺はぷっくりと赤く熟れた、下唇に吸い付きながら唸るように答える。 「こんくらいでへばるタマじゃねぇよ。それに…」 いつもなら、こんな生易しいセックスじゃあ終わんねぇだろ? 囁いて、俺はぐっと下半身を保の尻に突き上げる。勿論、保の口からは艶やめいた吐息が零れたが… 俺はソレごと奪い取り、乱暴に食らいついてやった。 「そろそろ、限界なんだけどな…」 もっともっとお前が欲しい。 くたばりぞこないだろうが何だろうが。 好きなヤツにこれだけご奉仕されたら… 人一倍貪欲な俺が、指くわえて見てるだなんて。 んなヤボな話、据え膳もいいとこじゃねーか。 「ぁ…で、もっ…」 「お前だって、この程度じゃ満足出来ねぇだろ…」 現に俺が強請る度、コイツの秘部はヒクヒクと痙攣し俺を締め付ける。 どんなに口で否定しようが、お前の身体は欲に忠実。 なんたってこの俺が、そうなるように。 今まで散々可愛がってきたんだからな。 「どうしてぇ?お前が言ってくんなきゃ、分かんねぇじゃん…」 「そん、なっ…ムリだよ…」 あと一歩のところで踏ん張ろうとする保を追い込むため。下から軽く揺さぶりをかける。 とはいえ、イクには全然刺激が足りねぇから。 微妙な突き上げに焦らされた保は、切なげに涙を流してしまい。 ちょっと虐めすぎだとは思うが、コレばっかりは譲れねぇから。不敵に笑う俺は、獣みたく保の唇をべろりとひと舐めした。

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