31 / 36
⑯
side.Akihito
「ふ、ぅんッ…はぁ…」
物足りねぇからと唇を開き、より刺激を求める。
恥じらう保も怖ず怖ずとそれに従い、差し出しされた舌を俺は強引に絡め取った。
後は欲するがまま。
本能に縋り、ただがむしゃらに貪るだけ。
キスにかまけて溢れる唾液も省みず、夢中で互いの唇にかじりついた。
「あっ、ふ…ンはッ…」
熱い…ソレは本当に俺だけのものなのか、情事に濡れる保のものなのか。もはや区別なんてつかないほどに、どちらも蒸気を上げ汗を滴らせる。
電話の時点では、保に迷惑かけたくないとか…風邪移したくねぇとかほざいてたけど。
こうして本人目の前にすりゃ、それほど固くもなかった意思など呆気なく崩壊。今じゃ開き直って、キスだのナニだの存分に堪能シまくってた。
「上原く…ん、へーきッ…?」
キスで繋がったまんま、トロけた視線を向けてくる保。俺はぷっくりと赤く熟れた、下唇に吸い付きながら唸るように答える。
「こんくらいでへばるタマじゃねぇよ。それに…」
いつもなら、こんな生易しいセックスじゃあ終わんねぇだろ?
囁いて、俺はぐっと下半身を保の尻に突き上げる。勿論、保の口からは艶やめいた吐息が零れたが…
俺はソレごと奪い取り、乱暴に食らいついてやった。
「そろそろ、限界なんだけどな…」
もっともっとお前が欲しい。
くたばりぞこないだろうが何だろうが。
好きなヤツにこれだけご奉仕されたら…
人一倍貪欲な俺が、指くわえて見てるだなんて。
んなヤボな話、据え膳もいいとこじゃねーか。
「ぁ…で、もっ…」
「お前だって、この程度じゃ満足出来ねぇだろ…」
現に俺が強請る度、コイツの秘部はヒクヒクと痙攣し俺を締め付ける。
どんなに口で否定しようが、お前の身体は欲に忠実。
なんたってこの俺が、そうなるように。
今まで散々可愛がってきたんだからな。
「どうしてぇ?お前が言ってくんなきゃ、分かんねぇじゃん…」
「そん、なっ…ムリだよ…」
あと一歩のところで踏ん張ろうとする保を追い込むため。下から軽く揺さぶりをかける。
とはいえ、イクには全然刺激が足りねぇから。
微妙な突き上げに焦らされた保は、切なげに涙を流してしまい。
ちょっと虐めすぎだとは思うが、コレばっかりは譲れねぇから。不敵に笑う俺は、獣みたく保の唇をべろりとひと舐めした。
ともだちにシェアしよう!