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エール1-5

「………」  密紀は階段を上へ登った。ずしりと重いノートの束を腕に感じながら、階段のすぐ横にある応援団議事室のプレートを見上げる。 「憧れるだけでこの性格が変わる訳じゃないもんね…」  思わず口から漏れた言葉。  ノートを押し付けられたこともそうだが、嫌なことを嫌と言えない、堂々と居られない性格だということは十五年生きて来て自覚している。だからこそ、毅然とした応援団に憧れるのだけど…。  団議室の中で微かな声がしている、団員が居るのだろう。壮行会の打ち合わせかもしれない。 「応援団が集まってる所に出くわすだけでもラッキーだもんね」  団議室の中の気配に、密紀はポジティブ思考に強制的に切り替え、頑張ろうと一つ頷いて職員室に向かおうとした、その時。

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