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エール1-6
「よっしゃ、スカウトしてくる!」
声と共に団議室のドアが勢いよく開いた。
「わ!」
そこから出て来た長身と密紀はぶつかりそうになってノートを落とした。
「す、すみません!」
密紀は慌ててしゃがむと、廊下に散らばったノートを拾いながら謝る。
「ごめん、飛び出したのは俺だから…」
言いながらノートを一緒に拾うその声に、密紀はガバッと顔を上げた。
「ち、千秋先輩!」
密紀の中では大絶叫だったが、実際その声は蚊の鳴くような小さなものだった。いや、驚きすぎて声が詰まったのだ。
まさかの出来事、幸運なのか不運なのかも判断がつかない。目の前に千秋善が居る!
聖院学園応援団員二年生、千秋善 。
彼こそが密紀の一番の憧れの人物。学校説明会で自分の目を釘付けにした張本人。誰よりもかっこいいと思った、憧れの先輩。
密紀は緊張のあまりフリーズした。脳のCPUが完全に停止した。
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