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エール1-9

 いや、それより、今千秋は何て言った?  新入団員? 「あ、あの…」  振り向いて千秋を見上げる。身長差約二十センチのイケメンはニコニコ笑って団員たちを見ている。密紀も恐々目を戻す。そして気付いた、勢揃いだと思っていたが、団員は千秋を含め五名しかいない。 「ちょっと小さくないかー善」  部屋の中央で腕を組んで密紀を見つめていた、これまたイケメン男子が膝をかがめて覗き込むように密紀を見た。  団長の水野(みずの)先輩!  千秋の手が肩に置かれたままになっている密紀の全身が、緊張で強張る。 「いや身長は関係ないからね、一琉(いちる)」  ずっと笑みを崩さないまま、団長の水野を呼び捨てにしたのは、同じ三年で副団長の二階堂(にかいどう)だった。物腰が柔らかく、かっこいいというよりは美しい。  そうだった、応援団はイケメン揃いなことでも有名だった!  容姿も指名条件に含まれるのではないかと思うほど、応援団員の見た目レベルは圧倒的で、校内外問わず、応援団が活動する時には、アイドルのコンサート並に女子が集まるという噂を密紀は思い出した。

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