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エール3-4
「…ああいうの」
動画の再生ボタンを押そうとした千秋がぼそっと呟く。
「え?」
密紀が千秋の方に顔を向ける。千秋は手で口元を押さえ少し黙ったが、目だけで密紀を見返すと一つ咳払いをした。
「ああいう、頭触らせたりとか、よくするのか?」
「…え?」
密紀はそれが、さっき竜也と話していた時のことだと気づくのに数秒かかった。
「いえ、あの、竜也は幼なじみなので…ずっとそういう感じで。他の人とはあまり…」
「…ふうん」
え?怒ってたのってそのこと?
千秋が目線を外して反対側に顔を背けた。何となく耳が赤い気がしたが、密紀は微かに入る夕日のせいだろうと思う。
「あ!もしかして、そういう甘えた感じの行為って応援団としては相応しくないから禁止ですか?」
「………」
的外れな結論に至った密紀の方に顔を戻すと、千秋は密紀の頭をぐっと自分の方へ引き寄せた。
「え…」
密紀の身体が傾いで、千秋の胸の辺りまで近寄る。
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