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エール4-2
やり過ぎな感じの行為に教室に残っていた者が一瞬引く。しかし伊藤は自分のノートに引かれたのだと思い、半泣きで元宮の方へ向かって行く。
「返せよ!」
伊藤が力任せに元宮に向かっていってぶつかった。胸の辺りを小突かれた感じになった元宮が伊藤の胸ぐらを掴んだ。
「てめえ、何すんだよ」
ノートを投げ捨てた元宮が伊藤に拳を振り上げた。
「止めろ!」
思わず密紀が叫ぶ。足元に転がってきたノートを大事に拾うと、元宮と伊藤の方へ駆け寄った。
「んだ保科、調子乗ってんのか、ああ?」
橋野が参戦して来る。体格差が半端ないことは分かっていたが、渾身の力で密紀は伊藤と元宮を引き剥がした。
まさか密紀がそんな行動をとると思っていなかったクラスメイトたちは呆気にとられている。
「お前なんか応援団になれる訳ねえのに正義感振りかざしてんじゃねえよ!」
橋野が密紀の肩を押した。密紀はバランスを崩すと近くにあった机に突っ込むように倒れた。
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