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エール4-3

 スパン!と音を立てて保健室のドアが全開になった。 「こら千秋、静かに開けろ」  保健の先生がドアの方を睨む。 「え、千秋先輩?!」  手当てをしてもらっていた密紀が振り向くと、全力で走ってきたであろう、肩で息をする千秋が猛然と近付いて来た。 「保科ケガは?!」  千秋は密紀の横に片膝を着いて座ると、腕や手を取って注意深く見ていく。 「ケガってレベルじゃないよ、肘をちょっと擦ってるだけだし打ち身も無い…て聞いてんのかよ千秋」  男前と評判の恰幅の良い保健医は田村と言って、肝っ玉母ちゃん的な女性だ。生徒への話し方も接し方も砕けていて人気がある。 「ぜってぇぶっ飛ばす」  低い声で呟いて立ち上がった千秋に「落ち着け」という声が飛んでくる。千秋が開け放したドアから水野と二階堂、そして鳥越と可南も入って来た。密紀は驚いて声も出ない。 「すげえ人気だな保科」  ガハハと笑う田村に、水野がペコリと頭を下げた。 「まだ仮とは言え、うちの団員がお世話になりました」  その声が合図のように残りのメンバーも姿勢を正して一礼した。 「そーか、こいつが噂の仮団員か」  だから千秋が飛んで来たのかと頷きながら田村が席を立つ。 「応援団全員が居るなら大丈夫だな、部活の見回り行ってくるから後はよろしく」  ホントに全然心配するレベルじゃないからなと言い置いて田村が出ていく。

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