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エール4-4

「本当に大丈夫か保科?」  田村が念押ししたにも関わらず、再びしゃがんで、密紀の目線の高さに合わせて聞く千秋の顔がすごく心配そうで、密紀は申し訳ないと思いつつ少し嬉しくもなった。 「どうして先輩たちがここに?」 「幼なじみの竜也くんとやらが千秋に知らせてくれてん」  千秋の代わりに鳥越が答える。 「俺あんなに早く走り出せる人間初めて見たわ!」  竜也に密紀が怪我したかもしれないと聞いた瞬間、千秋は走り出したと言う。鳥越が「オリンピック出た方がええで善」と言って笑った。 「だ、大事な団員候補心配して何が悪いんだよ」  千秋が立ち上がって鳥越にムッとした顔を向けたが、鳥越は全く気にせず笑っている。 「荷物持って来たから、今日はもう帰りな」  二階堂が持っていたカバンを差し出す。自分の荷物だと思っていなかった密紀は即座に椅子から立ち上がって礼をした。 「残念ながら俺たちが行った時にはもう、橋野も元宮も居なかったんだけど」  水野が「な?」と他のメンバーを振り向くと全員が頷く。 「え…全員で俺の教室に?」  焦る密紀に「そうだよ」と二階堂がいつもの笑みのまま頷いた。

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