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エール4-7
「まあだからって信念を曲げるなんてしちゃいけないけどな」
落ちた空気を拾い上げるように水野が笑う。密紀が頷いて受け止めた。
水野団長って、本当に団長なんだな…と、語彙力の無い感想が頭を巡ったが、それは大きな賛辞だった。
「まあ明日はもうテストだし、田村先生は大丈夫つってたけど、もう今日は帰れ」
水野が千秋に向かって「送ってやれ」と手を上げた。
そうだ、明日はもうテストの日なんだ。密紀は緊張と寂しさを一気に感じる。
テストに落ちて団員になることができなければ、もうこんな風に聖院学園のシンボルたちと気軽に話すことなんて無くなるだろう。
千秋とも、もう一緒に居られない。
「送るよ保科」
こんな風に優しく言葉をかけられるのも最後かもしれない…だったら。
「…ありがとうございます」
今日は甘えよう。バイクの後ろに乗って、腕をぎゅっと回そう。
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