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エール4-11
好きという気持ちには気付いていた。でも、こんな風に触れられることにも幸福を感じるんだという新しい自分の発見。
密紀はどれだけ自分が千秋を好きかを自覚した。
「大丈夫、俺はいつでも保科を応援してる」
「はい…」
頭上から降る優しい声。愛しい人の声。
「俺、頑張ります」
「…ん」
短く返事をすると、千秋は密紀の頭を少しだけ自分の胸へ押し付けた。
千秋の唇が髪に触れたような気がして、密紀は瞳を閉じ、しばらく千秋の熱と匂いを感じていた。
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